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思考の整理学
外山滋比古氏の思考の整理学を読んだ。
1986年出版と自分が生まれるよりも前に出版された本だったが、なかなかおもしろく読めた気がする。
200ページほどで読みやすかったのもあるかもしれない。
序盤で大学で教鞭を取っていた筆者の立場から、独力で知識を得たり思考することができない優等生を自力で飛び上がることのできないグライダーのようだと比喩しているのはなかなか的を得た表現だと感じた。
また、そのグライダー優等生の学生たちが何の考えも論文のテーマ決めの相談に来るというのが愚痴のように書かれていて、30年ほど前の学生でも今の学生と同じようなものだったんだなと知って、少し気が楽なような気分になった。
序中盤で筆者が思考やアイデアにおいて重要だと考えるのは、
考えを寝かせること
であると読み取れた。
そのために、夜に色々考え込むのではなく朝考えること、ずっと考え続けるのではなく休み休み考えること、手帖やノートに書いて一旦忘れることなどが有効であると書かれていた。
一番優れている朝の思考をするために実際の朝の起床時だけでなく、長時間の昼寝をして今がいつなのかわからない状態にすることにより、擬似的な朝の思考を作り出すという方法はかなり強引だがオモシロいやり方だなと思った。
後半には、本のタイトルでもある思考の整理についても、一言で
思考の整理とは、いかにうまく忘れるか、である。
と述べられていた。
氾濫した情報の中で不要なものは積極的に忘れ、そうしたのちに自分の中残ったものが重要であると私も思うところがあったのでとても共感できた。
私個人も考えをまとめたい時は朝のスッキリした頭で考えたり、紙に書いたりするので、共感する部分が多かった。30年前なら比較的新鮮な考え方だったのかもしれないが、現在ではわりとよく言われることだなとも思ったが、意外とつまらないと感じることはなく読みすすめられた。
色々な情報を取りに行ったり、あれやこれやと一人考えることはよくあるが、なかなかまとまらないことがまだまだ多い。やはりいかにうまく思考できるかが重要だと思う。
死ぬまで好奇心や行動力を鈍化させないためにも、うまく思考を整理して日々を生きたいと思う。
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