チャーリー・パーカーから学ぶジャズ・ギター・ピッキングのコツと定義
今回から数回にわたり、チャーリー・パーカーの演奏を通じて、ジャズの演奏技法に関するアイデアをシェアしていきます。初回のテーマは、基本的すぎて意外に見過ごされがちな「ピッキング」。この大切な技術について考察を深めていきたいと思います。
オルタネイト・ピッキングの基本
まずはオルタネイト・ピッキングを主体とし、以下の原則に基づいて演奏することを基本とします。
• ダウン・ビート(強拍) → ダウン・ピッキング
• アップ・ビート(弱拍) → アップ・ピッキング
このようにピッキングを整理することで、シャッフルのリズムを明確に体感することが可能です。
レッスンでは、8分音符をすべてダウン・ピッキングで演奏される生徒さんも時々お見かけします。こうした場合、長年のクセを切り替えるのに時間がかかることもありますが、ピッキングは音のフィーリングを決める非常に重要な要素です。
時間をかけてでもこの感覚を身につける価値があります!
3連符のピッキングの考察
次に、3連符におけるピッキングについて考えてみましょう。以下は、Charlie Parker の「Tiny’s Tempo」で演奏されているラインの一例です。
冒頭ではB♭6を意識させる「Gm7のコードトーンによる上昇」が確認できます。このラインをピッキングする際に、以下のような方法は避けるべきです。
避けたい例
3連符で構成される G マイナー・トライアドをすべてダウン・ピッキングで処理するエコノミー・ピッキングを採用した場合、2拍目の頭拍(F音)がアップ・ピッキングで演奏されることになります。
これでは、リズムの流れが崩れ、2拍目を「落とす」感覚が失われてしまいます。
おすすめのピッキング方法
• トライアドの構成音(3音)を2本の弦に1:2で配置。
• 「ダウンのエコノミー・ピッキング」と3音目の「アップ・ピッキング」を組み合わせ、シャッフルのリズム感を維持しながら演奏する。
他にもいくつか「良いフィーリング」を保ったまま3連符の演奏をすることが出来る音の配置は考えることが可能ですが、続編はまたの機会に。
これより紹介する16分音符の演奏でさらに高い演奏性を実現する方法や、ジャズ特有のフレーズアイデアを活かしたピッキング練習法については、有料記事で詳しく解説します。
ぜひチェックしてみてください!
16分音符を交えたリズムでのピッキング考察
次に、8分音符と16分音符を組み合わせた場合のピッキングについて考察します。以下は、同じく「Tiny’s Tempo」に収録されたドミナント・コードにおけるラインの一例です。
問題点
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