「税は財源ではない」インボイス制度と消費税の問題のメモ
お金の勉強をしているうちに（私のMMT＝現代貨幣理論のメモもご覧ください）、併せて、最近非常に話題になっているインボイス制度および消費税の問題についても、ずいぶん情報を目にするようにしました。
私はまだ、文章で解説文をまとめられるほど熟知しているわけではありませんが、ひとりの社会人として知るべきことは、次の点にまとめられそうです。
■消費税は、一般的には「消費者から預かって国に納めている」ようにみえる。だが、そのような税金ではない。事業者が「売上高（税抜き）の10％に当たる額を支払っている」税。本来の意味から考えると、名称としては海外国の「付加価値税」に近い。会社が創出した付加価値と、それにより得られた売上高にかかる税金であるため。
■現状の消費税の運用（レシートなどの表記）をみると、まるで「預かり金（＝消費者から預かった分を事業者が納めている）」のように見える。だが、事実はまったく異なる。
■インボイス制度に絡んで、「売上高1000万円以下の個人事業主（免税事業者）などは、これまで納めるべき消費税を納めてこなかった。だから払え」という批判があるが、「消費税分」として消費者が支払っている（ようにみえる）10％分は、決して預かり金ではない。なので実はこの批判は筋違い。
■日本の消費税の実態を鑑みれば、海外国と同じように付加価値税と呼ぶべきではないか。海外では付加価値税としているゆえに、中小企業や個人事業主などへの配慮がバランスよく行き届いている。ところが日本ではそのような議論が「消費税にまつわる誤解」によって消し飛んでいる。その結果、非常に不平等な税制になっている。消費税は、販売価格に転嫁しにくい下請けの中小企業や個人事業主にとって負担が高いうえ、所得が低い状況にある人にも重い。なぜなら日用品などにも等しく税がかかってくるため。（月収60万円の人と、月収30万円の人とで日用品への支出はそうは変わらない）
■なぜ国および国税庁はこのような「預かり金」的な運用と説明しているのか、甚だ疑問。
■実はいま、これほど不況だと言われながらも、国の税収は過去のバブル期を越えているのだという（消費が落ち込むのは当然）。「失われた30年の間」に、民間は苦しむ一方、税収は伸びている。これは同じ日本国というプールの中で無理やり国家側が領分を増やしていることになり、プール全体を拡張しうる民間の事業活動や消費活動を抑制していることを意味する。
■この日本の基盤を支えているのは、大企業の傘下で様々な事業を担っている中小企業や個人事業主。インボイス制度が始まってこれらの企業や事業主が脱落していった場合に、困るの実は大企業、ひいては市井のビジネスパーソン。
■すでにインボイス制度は各所からコストパフォーマンスが悪すぎる制度だとの反発が強い。元請けにも下請けにも負担がかかるうえ、約2480億円の税収増しかまかなえない。しかも税負担に耐えられない個人事業主の廃業が懸念されているため（なお、令和3年度＝2021年度の税収および印紙収入は57兆4,480億円）。
■インボイス制度への批判とセットで、消費税についてのそもそもの問題、そして財政出動の議論も浮き彫りになりそうだ。
■実は、「税は財源ではない」――https://www.youtube.com/watch?v=GDWjtp2gsf4&t=124s
（参照：郷原信郎氏「日本の権力を斬る！」YouTubeチャネル、三橋貴明氏YouTubeチャネル「三橋TV」）
調べれば調べるほど、この国のお金（貨幣）と税制にまつわる問題は闇が深そうです。
大事なことは、私たち市民がきちんとした知識を付け、市井の意志ある専門家と連帯して、制度の改変に向けて声を上げることだと思います。
こうした記事を一人ひとりがネットで発信し、大きなうねりを起こせればと思っています。
■「真実の剣」note記事をご覧いただきました方へ
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