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就職する前にメンタル疾患になった人たちは、もう詰みなのか

高校や大学などを卒業した人の多くは、就職し仕事に就くと思うが、仕事には「守」「破」「離」という3つの段階があるということを聞いた。守破離とは、下記のような意味である。

剣道や茶道などで、修業における段階を示したもの。「守」は、師や流派の教え、型、技を忠実に守り、確実に身につける段階。「破」は、他の師や流派の教えについても考え、良いものを取り入れ、心技を発展させる段階。「離」は、一つの流派から離れ、独自の新しいものを生み出し確立させる段階。
(守破離(しゅはり)の意味 - goo国語辞書)

つまり、「守」の段階では徹底的に仕事の基礎を学び、「破」の段階ではその基礎を発展させ、自分が良いと思った仕事のやり方を新たに取り入れ、「離」の段階ではさらにそれを発展させ、自分独自の仕事のやり方を確立させるということだろう。

「破」の段階、ましてや「離」の段階までいけば、仕事はとても楽しいものになるだろう。自分が良いと思ったやり方で、自分の思うように仕事を進めて行けるなんて、そんなにいいことはない。また、この段階まで行けば仕事のスキルも成熟しているため、今後食いっぱぐれる可能性も少ないだろう。

しかし、「守」の段階は果たして楽しいのだろうか。いや、楽しいはずがない。「守」の段階は、仕事でいえば新入社員が右も左もわからない状態から、一生懸命勉強して仕事の基礎を覚える段階である。基礎的なことなど出来て当然であるので、怒られることはあれど、褒められることはない。言ってしまえば、社会人になって初めて訪れる「守」の段階というのは、人生において最も大変な期間なのではないだろうか。

新卒で入社した会社を3年以内に辞める人は全体の3割にも及ぶという話はよく聞くが、おそらくこの「守」の段階に耐え切れずに辞めていくものだと思われる。実際僕も、新卒で入社した会社を2年半でやめてしまったのだが、その間怒られっぱなしであった。もちろん、2年半もやっていればそれなりにできるようになることは増えていくのだが、僕の場合、仕事の楽しさを感じることは全くと言っていいほどなかった。

仕事の種類や難易度にもよるのは間違いないが、この「守」の段階というのは数年間続く場合もザラにあると思う。ここから本題であるが、社会人になる前、つまり学生時代などにメンタル疾患に陥ってしまった人が、この「守」の段階を耐えられる可能性はどれくらいあるのだろうか。正直、かなり難しいのではないだろうか。

メンタル疾患は、一度患えば完治するのがなかなか難しい。もし一時的によくなったとしても、学生時代にストレス過多でメンタル疾患を患った人が、人生で一番大変な社会人での「守」の段階を耐えられるとは思わない。僕は2年半で大したスキルも身につかず、病気を悪化させて仕事を辞めるというパターンに陥ったが、そういう人は他にもたくさんいるのではないだろうか。

つまり、学生時代にメンタル疾患を患ってしまえば、もう詰みなのではないだろうか。どう考えても解決策が思いつかない。社会人になってある程度の年数が過ぎて、スキルも身に付けた後にメンタル疾患に陥るケースもあると思う。しかしその場合はスキルがあるので、転職などして職場環境が変われば、また働き始められる可能性がある。でも、なんのスキルも身に着けられずに仕事を辞めてしまった場合、もうどうすればいいのかわからない。

僕は1年間実家療養して、これからはYoutubeなど少しずつ自分でできることをやっていこうと考えているが、それも収益化するのは、なかなか難しいと思う。学生時代にメンタル疾患になってしまった人が生きていく道はあるのだろうか。今はまだ答えがわからない。

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