棚下に広がる秘密。
古本市には時として陳列される棚の下に名著が潜んでいることがある。
木製の本棚タイプではなく、台車の下に空間があるタイプの陳列棚は、慣れない人は素通りされるコーナーだ。
「そもそも棚下の商品は手を出してはいけないのではないか?」
自分も初めはそう思っていた。
しかし、とある古本市で熱心に陳列台を覆うテーブルクロスの下を覗き込むおじさんがいた。
「あそこは探っちゃダメだろう。」
そう思っていた途端、手を伸ばしてひょいっと文庫本を拾い上げている。
「あれ、まさか?」
おじさんが立ち去った棚下を恐る恐る覗き込む。
そこには台の上に陳列されていた書籍同様、文庫本や新書、雑誌の塊が綺麗に積まれるようにして並べられていた。
今まで何故に気付かなかった(いや、見えてはいたが陳列前のストックだから手を出してはいけないという良心に従いスルーしていた)のか。
今開催されている東京・三省堂書店池袋本店の古本まつりでは、そのような台車が所狭しと並んでいる。
自分も開催されるに足を運んでは棚下をしゃがんで覗き、また立ち上がる「屈伸運動」を何回も行っては、立ち上がり時の貧血による立ち眩みでグラついては踏みとどまっている。
読書もいいが、よろけない体づくりもやらないとな。
全国の敬愛なる読者の皆様、機会が合えば是非お立ち寄りを。
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