ジバグルイ #5
小説『ジバグルイ』の第5話です。前回のお話はこちら。
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「ニンゲンにバレたら一貫の終わりだ。ランケイ様は我々を…ああ!考えるだに恐ろしい!そうなる前に一刻も早く“これ“を盛って、ニンゲンの寿命を縮めるのだ!」
奴らが運んでいたモノは何だったんだろう。
運ぶ先は、冷蔵庫のドアポケット、食糧棚のコーヒーの棚だった。
確か昨日、パパがビールやらお酒やらをたくさん買い込んでいた。パパもママもお酒とコーヒーが大好きで、毎晩の晩酌は欠かさない。
コーヒーなんかは、夜を除いて四六時中並々と入ったコーヒーカップが二人の前にある。コーヒーは仕事のおともだちなんだ、とか何とか言っていた。
あまりにおいしそうに二人が飲むものだから、磨李と瑛大は一度「少しちょうだい」とねだったことがある。苦くて苦くて、一口でダウンしてしまった。大急ぎでいつも飲んでる麦茶を飲みに走った記憶が生々しい。
その買い込んだお酒類をせっせとしまっていた先は…冷蔵庫のドアポケットだ。
ママとパパに知らせなければ。命が危ない。
〔続く〕
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