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#Day054 日々の生きづらさ〜青春コンプレックス〜

僕の高校は特殊だった。
特に僕の進学したコースが特殊だったのかもしれない。

まず、教室が半分地下にある。

他のクラスから完全に隔離されている。
特進科だけ3学年とも半地下に幽閉されているのだ。

一般のクラスに行くには階段を上り、地上に這い出て、更に長い廊下を横切らないと辿り着けない。

故に、部活に入っていないとろくに友達もできない。

なぜなら、特進クラスは3年間同じクラスメイトだからだ。
それも14人。

交友関係すら隔離されている。

この時点で、僕は理想の高校生活を諦めた。

毎日単語帳を見ながらバスに乗り、教室に着いたら同じ顔ぶれの14人が集まり、いつしか話題は尽きて時計の針の音まで聞こえてくる始末。

誰がこんな高校生活を想像しただろうか。

担任からは分厚いプリントと膨大な宿題を渡され、帰りのバスではまた単語帳を見る。

ただただ、その往復である。

挙げ句の果てには、名前も知らない同学年から指を指され「あいつが模試で1位だった423だぞ」とか「423は東大を受けるらしいぞ」とか言われていた。

そして見事、東大には落ちた。

また、その校舎の形も特殊だった。

まず、必要最低限しか屋根(天井)がない。

どういうことかというと、廊下の上しか屋根(天井)がないので、校舎が閉じられているのではなく、解放されているのだ。

本当に訳のわからない造りの校舎だった。

この点も、僕が描いていた理想の高校生活を諦めた要因のひとつでもある。

特進クラスを選んだとしても、せめて一般クラスと横並びになって、色んな人と関わるものだと思っていた。

他校の友人の文化祭に行った時は、まさに理想の高校といった感じで、楽しむというよりも絶望に近かったし、漫画に出てくる高校の描写も苦痛だった。

いまだにその苦痛を引きずっている。
これこそ、まさにコンプレックスである。

いやぁ、30〜40人のクラスでわいわいして、色んな友人を作りたかったし、美術部とかに入って部活に励みたかったし、文化祭も大人数で楽しみたかった。

せめて、時計の針の音が聞こえない高校生活を送りたかった。

そのくらい「理想」のハードルが下がるくらいには、高校生活に彩りがなさすぎた。

唯一、青春を感じたのは、気になっていた子と3年間両想いだということが分かったことくらいだ。

まぁ、結局上手くいかなかったんだけど。

そんな感じで、学園モノの青春系漫画を読むたびに胸が締め付けられ、友人が高校時代の子を連れてくる度に虚しい気持ちになるのです。

そして大学生活もあまり馴染めず、社会人生活も不安定なまま今に至るのです。

あぁ、高校受験の時に第一志望に受かってたらどうなってたんだろう。

そこは屋根があって綺麗な校舎でした。

それでは、今回はこの辺で。

自分の生み出したもので生きていきたい。幼い頃からそう想って今も生きています。これからも創ることが喜びでいられるように、いただいたお金を使おうと思います。