見出し画像

クリエイティブを志す上で読んで良かった本4選

今回は、クリエイターを目指す人にとって読んでおいて損はない本を4冊紹介します。
僕もイラストレーターやクリエイティブディレクターを目指して、春からデザイン会社でWebディレクターをしています。

そんな僕が読んできた本の中で「めっちゃ勉強になった!」という本を選びました。

ぜひ、参考にしてみてください。

『いちばん大切なのに誰も教えてくれない段取りの教科書』

1冊目はクリエイティブディレクター水野学さんの『いちばん大切なのに誰も教えてくれない段取りの教科書』という本です。

水野学さんといえばくまモンや、『センスは知識からはじまる』という本で有名な方です。

『いちばん大切なのに誰も教えてくれない段取りの教科書』は、タイトルの通り「段取り」の重要性についてひたすら語ってくれる本になっています。

とにかく面倒で面倒で仕方がなかった「段取り」がいかに大切かを気づかされ、反省した1冊になります。

物事をスマートにこなしいくのは、そういった才能があるのではなく、単に「段取り」の経験値の差であると教えてくれています。

この本で示されている段取りの手順

この本では段取りの手順が紹介されています。

①目的地を決める
まずは自分が行う仕事やタスクの目的地を設定します。
こうすることで、自分が何を成し遂げれば良いのかの具体的なゴールが見えてきます。

②地図を描く
次に行うのは、目的地にたどり着くための地図を自分で描いていくこと。

ここが「段取り」のなかでいちばん大切なところだと思います。

地図をうまく描くには、目的地とその後を丁寧に想像することが重要なようです。コツは、それを画像などのイメージに落とし込むこと。

解像度をあげて、明確なイメージを持てば持つほどより具体的な地図が描けるようになります。

③目的地まで歩く
あとは地図に従って歩くだけ!
その際、タスクを「かかる時間」で分解していくとスムーズに歩けるようです。

と、こんな感じで段取りについて、自身のクリエイティブ経験を踏まえながら説明してくれている僕の仕事におけるバイブル的1冊です。

『イノベーション・スキルセット』

デザイン・イノベーション・ファームTakram代表の田川欣哉さんの著書。

新時代に求められる人材や組織の能力について「デザイン」という視点を軸に解説している1冊になります。

人材の3要素
田川欣哉さんは『イノベーション・スキルセット』で、人材には3つの要素があると説いています。

①Business(ビジネス)
これは文字通り、ビジネス、経営や経理、マーケティング的な側面の能力です。
社会人が求められる基本的な能力だと思います。

②Technology(テクノロジー)
これは専門的な科学的な技術や職能のことを指しています

①のBusinessと掛け合わさることで、大きな問題解決力を発揮し、日本を含め多くの先進国が発展してきました。

③Creativity(クリエイティビティ)
これはデザイン思考やクリエイティブを司る力を指しています。

Creativityはあまり重要視されることがなかったのですが、世の中の変化やモノの過剰さなどからその重要性が再認識されていると語られています。

今までは B型、T型、BT型人材で良かった。
①のBusinessに特化した人、②のTechnologyに特化した人、またはその2つを統合したBT型の人材になれば活躍できたのですが、現在の状況ではそれだけでは足りないようです。

BやTにできるのはあくまで課題解決であり、そこに潤滑油としてのCreativityが必要になると。

組織全体でBTC型を目指すべし。
リテラシー程度で良いので、Cの分野を理解したBC型、TC型の人材がC特化型と共に仕事をすることで、複数の領域を横断し、それぞれの得意分野に軸足を置きつつ相補的なサービスのデザインを可能にすると言われています。

つまり、人間とテクノロジーの間に潤滑油としてのデザインを組み込むことで、新しいエクスペリエンスを生み出すということ。

それはビジネスの在り方が「売り切り」から「サブスクリプション」に転換しており、常にユーザーのフィードバックを受け、新しいエクスペリエンスを創造しないとユーザーが離れていってしまうからです。

優れたプロダクトは、テクノロジーの気配を消してユーザーの生活に溶け込む。
これが、『イノベーション・スキルセット』で田川欣哉さんがCの力を推す理由だと思います。

本当に新しい視点をデザインを切り口に提供してくれる本なのでぜひご一読を!

『ニュータイプの時代』

この本も、これからの時代に求められる人材がどうあるべきかについて、
「クソ仕事」というなんともパワフルなワードを使って語られています。

現代は「正解」が過剰。
産業革命を皮切りに近代、現代と発展を続けてきた世界は、すでに解決すべき問題が希少になってきており、ひとつの問題に対する「正解」が過剰であると著者の山口周は考察しています。

例えばリモコンひとつとっても、一度も触れたことのないようなボタンが存在したり、というようにもう「正解」が出た問題を延々と解き続けているような状態を指しています。

これは僕も本当にその通りだと思いました。

「問題」を見つける力こそ求められる。
「問題」が希少だからこそ、これからの時代は、新たな「問題 (課題)」を見つける力が要求されてくると書かれています。

特に日本式の教育は、常に「問題」が与えられてそれに対する「正解」を見つけことに偏っている気がしますし、「問題」を見つけられる人は少ないのではないでしょうか。

僕も大学で自分で問いを立てることに苦労した思い出があります。
この本を読んで、まさに成長の方向性が180度変わるくらい劇的な衝撃を受けました。考え方や物の見方が変わるきっかけをくれる1冊です。

著者山口周の考え方がギュッと濃縮されたインタビュー記事です。

『クリエイティブ・マインドセット』

これはまさに、クリエイティブを志す全ての人のバイブルです。

豊富な具体例でクリエイティブな思考が身に付く。
この本は、とにかく具体例、具体例、具体例のオンパレード。
何かの概念や思考法を伝えるためには、抽象的な説明だけでなく、エピソードもセットではないといけないことを痛感させられます。

まるで小説を読んでいるかのようなエピソードが次々登場します。

それだけでも思考法が変わるのでおすすめの本です。

広義の「デザイン」について教えてくれる。
僕たちは「デザイン」という言葉を聞くと、街中で見かけるポスター広告や書籍の装丁、動画やインテリアなど、どうしても視覚的なものを想像するかもしれません。

しかし、『クリエイティブ・マインドセット』で語られる「デザイン」はより広義な意味であり、まさに思考法そのものにまで当てはめられています。

いかに固定的な「正解」を見つけようとする視点を切り替え、新しい見方を獲得するか。

いかに新しい掛け合わせを生み出すのか。

など、様々な思考法やそのためのマインドセットについて具体的なエピソードを添えて語っています。

この本を読むと、ここまで紹介した3つの本が勇気的に繋がり、さらに理解が深まると思います。

究極的には、どの本も主旨は同じ。

今回紹介した4冊は、究極的に言えばどれも同じような主張をしています。

つまり、いかに自分の「視点」を切り替え、「視野」を自在に操れるか。

この理解に集約できると思います。
このことについて、それぞれの著者がそれぞれの経験に基づいて、それぞれの言葉で表現しているのだと思います。

主張は同じでも、そのプロセスは全くの別物。

どれも一読の価値はあると思います。


この記事が参加している募集

読書感想文

自分の生み出したもので生きていきたい。幼い頃からそう想って今も生きています。これからも創ることが喜びでいられるように、いただいたお金を使おうと思います。