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20210308

金原ひとみ『ハイドラ』を読み始める。36ページで、あ、読みたかったやつ、と思って胸がぞわぞわした。本の後ろに書いてある程度のあらすじしか知らなかったけど、そう、こういうのが、読みたかった!と震えた。
『パリの砂漠、東京の蜃気楼』がとても好きなんだけど、あれを読んで以降、金原さんの本を読むと、もう、何が現実で何が作り話だか全然わからない。その感じが、とても好きだ。こんな、喉や食道がきゅうっとするような話も、現実か、限りなく現実に近い空想のようなものだ、ということがたまらない。物語はどこまでも現実だし、現実はどこまでも空想、というか、なんというか。

『獣は月夜に夢を見る』という映画を観た。ぐったりした。映画は好きだけど、あまり観ない。情報量が多すぎて体力をどっと消耗してしまうし、記憶にこびりつきやすいから。視覚からの情報というのは強い。
お葬式のシーンが好きだ。マリーの手にしていた花が好きだ。こういうのは視覚からしか感じられないから、やっぱりたまに観るのはいいものだな、と思う。

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