誰にも伝えられなかったこと3
日本育英会の奨学金。
高校に行ったらもらわなきゃいけないと母親に言われ、
中3の夏、学校の制服を着て初めて他人に「お金ください。」と言いに行った面接。
なぜ、私が言わなきゃいけないの?
なぜ、「家計が苦しくて、父親から養育費ももらっていません。」と
私が言わなきゃならないの?
親の問題でしょ。そして、その借金を背負うのは私。
教員になればその借金はチャラになるとか、全くの脅しだ。
月額1万5千円をもらって、家計が助かるのであれば、
「いいよ。分かった。」と出かけて行ったあの日。
高校生活は期待以下だったけど、志望校に入学できて、
問題なく卒業できたことには満足。
そして、大学入学。また育英会の奨学金。月4万円。
国立大だから、授業料免除も申請。借金だけが増える。
給付型の奨学金を2つ申請。2つ合わせて月4万円。
全部合わせてプラマイゼロ。
自尊心は傷つくけど、もう言い慣れてしまったあのセリフ。
「家計が苦しいです。父親からも養育費はもらっていません。」
父親を嫌いになりたくないのに、父親に対する嫌悪感を増幅させるこの言葉。。子どもに言わせる言葉じゃないな、と今更ながら思ってしまう。
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