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感想文

昔から本を読むのは好きだった。
小学生の頃なんて年間300冊読んで表彰されるくらい。どんな本でもとにかく読んで、知識を得るのが楽しかった。
何より本を読むと、自分が経験できるはずのないその物語を、追体験した気持ちになれる。それが一番好きだった。

今でも時間がある時は本を読む。特に、何度も読み返しているのが『図書館戦争』
その名前の通り、図書館で戦争するお話。
こう書くと、結構驚きの内容に見えるかもしれない。うん、結構内容も突飛な感じ。でも、本当にこんなことが起こるかもしれないって思わせられるほど、リアルな話。

『図書館戦争』KADOKAWA公式サイト
https://promo.kadokawa.co.jp/toshokan-sensou/


表現の自由って色々言われるけど、結構私はどうでもよかった。どうでもいいというか、気にしてなかった。だって自分は好きに書いてるし話してるし。でもこれを読んだ後に、世界で起きてる色んなことが気になるようになった。

表現の自由って言うので私が特に、「あ」って思った出来事がある。それは、中学生の頃にこの本で読書感想文を書いた時の話。
この小説はすごい好きだったから、読書感想文もとても気合いの入れたものを書いた。どんな内容だったのかは忘れちゃったけど。でも、元々国語が得意だった私は、それが校内の代表になるくらいにはいいものを書いた。はずだった。その当時の国語の担当教師に呼び出されるまでは、そう思ってた。

なんとその先生言うには、

「図書館戦争」っていう名前がちょっと、イメージが悪いよね。図書館で戦争するなんて、読書感想文にするよはちょっと、、さすがにそういう所に提出するのにこれじゃあ。だから内容は変えさせてもらうね

って感じで。
最終的にはほぼほぼの内容が変えられた。
いや待て、そんなに改変するなら私の書いた内容が選ばれる必要無かったじゃん。私は私で好きに書いたんだから、自分の思いをちゃんと書いたんだからこのままにしてよ。
そんなことを思いながらも、何も言えず。出来上がったのがその先生によって手直しされた、私の読書感想文。
さすがにあれは、悲しかったなあ。なおされながら、「ああ、こういうのを守らなきゃいけないのかな」って思ったりした。

この作品のいい所は他にもあって、内容は結構重いはずなんだけど、描かれてるキャラが自由で温かいから、ストーリーがすっと読めるところ。それから、なにより恋愛シーンにときめく。堂上教官のイケメンぶりにはああああってなる。実写はV6の岡田准一さん。最高でした。
というか、これ実写の役者さんたちが全員ドンピシャなんですよね、びっくりするくらい。まさにこの配役!って感じで。それも良かった。

なんだかただのオタクになってしまった。
全然内容について触れてない。

そういえば、私は大学生になってからも懲りずにこれで卒論を書きました。それはもう気合を入れて。一度丸々変えられた経験があるから、その悔しさをそのまま卒論執筆の活力にして。
「良化特務機関」と「検閲」について、日本の検閲の歴史と絡めて考察したり、「図書館の自由」について、図書館の成り立ちから小説内での描かれ方を考察してみたり。
めちゃくちゃ楽しかった。現実を知れば知るほど、この『図書館戦争』が緻密に作られてるものだって思った。

とにかく、本当に今の時代だからこそこの小説には思うところがたくさんある。表現の自由を盾にバカみたいなことをやっている人が沢山いるし、それで人を殺せたりもする。だからある程度の規制はもちろん必要なのかもしれない。でも、それで私たちが色んなことを我慢する世界になるのも違う。

表現って難しい。

いろんな人がこの小説を読んで、今の世界に何か少しでも思うことがあったらいいなぁなんて。思ったり。思わなかったり。
まあ読書なんて、楽しむのが1番ね。

とにかく、気になったらぜひ読んでみてください。以上。


ほしの


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