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そのスタント不可能だろう/・・・・・トムクルーズが練習の鬼だった件


トムクルーズの来日はキャンセルになりましたがミッション・インポッシヴルは予定通り公開 世界中で猛威を振う人工知能AIの暴走を制御できる鍵は文字通り昔ながらの錠前ハイテク満載の物語なのに電子キーではなく、アナログな鍵を追い求めるストーリーです。
そういえばテレビシリーズだった頃は磁気テープ、今回の指令もマイクロカセットテープを使うあたりは、はっきり言って中高年向け??

圧巻のバイクスタントシーンは助走路こそCGの作画ですが、命綱なしのイーサンもバイクも崖も全てが本物。全くアナログです。

尋常じゃないのはこのノルウェーロケのためにイギリスに用意した練習台。ここで何度もリハーサルを重ねたのはもちろん、バイクジャンプも1万回以上、スカイジャンプも500回練習を重ねてほんばんに臨んだのが3年前の9月。斜め前には2機の大型ドローン、後方からはジェットヘリが追走して、同じジャンプを6回も繰り返した成果がたった一度だけスクリーンに登場する数十秒のアクション。尋常じゃありません。

合成でどうにでもなるシーンをあえて一本のレンズが捉えたリアルな映像で記録する。アナログです!
オリエント・エクスプレスの屋根上で見せる格闘シーンも実写。つまり撮影スタッフも走る客車の屋根上で仕事をしなければなりません。時速は最高で90km以上、サイドからはドローンが追走してリアルな演技を収めます。

そして、鉄橋からリアルに落下する機関車も実物。場所は、全く別の橋を使っていますがカメラ満載で無人で走る機関車は一直線に渓谷下に。このシーンはカサンドラクロッシングの名場面を彷彿させます。

さて、機関車が切り離された客車がどうやって止まったのか?少し鉄道の基礎知識を要するかもしれません。
連結器の下には前後の車両をつなぐホースがつながっています。ここを圧縮された空気が行き来して、機関車の運転士は後続の車両のブレーキをかけます。客車ごとには空気だめというエアタンクが付いていて、この空気圧がブレーキシューを車輪に押し付けてブレーキをかけます。
と言っても、このままじゃブレーキがかかったままになるので、もう一つ別の空気回路を用意して、ブレーキを押し広げるような形で車輪が回るようにさせます。この加減をコントロールする空気圧が即ち、連結器の下で繋がったブレーキホースなわけ。運転台でレバー操作すると、この空気圧がコントロールされ、ブレーキがほどよく車輪を締め上げます。つまり、この空気が万一漏れてしまったら急ブレーキ!エア漏れに対してフェイルセイフになるよう設計されています。

だから機関車ごとホースから先を失った客車群は各車両ごとに空気だめのエアが車輪を締め上げ、ブレーキが効く、ということを頭に入れておくとストーリーが理解しやすくなるかもしれません。そう、列車が乗っ取られた時に機関車のブレーキレバーは破壊されていたんですね・・・・・だから、ホースを断ち切る以外にブレーキを効かせる手段はなかったわけ。
あとはよくできた客車のモックアップで撮影された、スリリングなシーンを是非とも堪能してください。

さらに、イタリア・ローマで繰り広げられるカーチェイス・シーンもやはりトムが片手で実車を運転しているのがわかります。これまでにない異色な場面は永年現物スポンサーをつとめているBMW製ではない、イタリアの名車がEV化されて登場すること。ルパン三世もビックリの起用です。

さて、お次は鍵を何のためにどう使うのか?これから筋書きや撮影を急がないと公開日に・・・・・
皆さんはくれぐれもお家の鍵を忘れて探さないように・・・・・首から下げておくのもいいかも!


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