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静寂に立つ、赤の首

8月7日で子どもが4ヶ月になった。
お風呂上がりは髪の毛がBTTFのドクのように爆発していて、気が付かない間に髪が伸びたんだなと実感する。すこし前までは頭皮が丸見えだったのに。

首が完全にすわったので、横向きだった抱っこは縦に変わった。嫁に抱っこされると唇を掴むこともしばしば。安いおもちゃみたいにボヨンボヨン動いていたのが嘘のように首がしっかり自立している。

自分の両親、嫁のご家族からおもちゃを貰うことも多くなった。頂いたおもちゃで遊んでいる姿をカメラに収めて、頂いた方へ送る。敢えてゲスな言い方をすれば、パパ活だ。

最近はボールのおもちゃがお気に入りらしい。網目状になっているからどこからでも掴めるボールのおもちゃを常に握っている。かと思えば腕で振り回してポイッと飛ばし、それをじっと見ている。
少しくらいの距離であれば自分で取ることが出来るようになった。
ただ日々を繰り返しているように見えて、腕の使い方や口の場所、物との距離感、など少しずつ学んで理解してるのだとしみじみ思った。

それにしても良く笑うようになった。
ということを毎回書いている気がするが、本当に良く笑う。先月までは口を開けて笑顔だけだったのが、声を出して笑うようになった。動きがある遊びが好きみたいで、両腕を伸ばし、飛行機のような形で持ち上げると十中八九笑う。太ももでギューと挟み込んだあと、パッと開放するとめちゃくちゃ笑う。
爆笑している赤ちゃんをみてこっちも爆笑してしまう。面白いことなんて何もないのに笑えるのは幸せなことだ。

お食い初めも大いに笑わせてもらった。
どうやら食べることにもの凄く興味があるらしく、人が何かを食べている時はその様子をじっと見つめ、口をチュパチュパさせて自分の存在をアピールしていた。もしかしたら一緒に食べている気になっていたのかもしれない。
この日も箸先が赤飯に動くのをじっと見ていた。
ゆっくりと箸を口先に持っていくと凄まじい勢いで舌を出し口全体を動かした。
その姿は久しぶりに獲物にありつけたサバンナのライオンを連想させる。

キラキラしていた瞳もむなしく、口には何も残さないまま箸はまた戻ってしまう。
が、今度は漬け物に“触れて”また口に戻ってくる。
本人は鬼の形相で食べようとするのだけど口には何も入ってこない。その様子がコミカルでおかしかった。
笑っていたことに腹を立てたのか食べれないことにムカついたのか分からないけれど、子どもは雷鳴のような大声で泣き叫んでいた。本人の意思とは裏腹に、大人はまた一笑い。

子どもの名前は陽向(ひなた)という。
明るい子に育って欲しいと思ったのと、生まれた日の空が綺麗に晴れ渡っていたからだ。7月19日、お食い初め。千葉県は快晴だった。梅雨真っ最中で天気予報では雨だったのに、蓋を開けてみたら雲一つなく晴れ渡っていた。

お食い初めのついでにコロナの影響でやっていなかったお宮参りをやった。
神社のなかは深い静寂と7月とは思えないほど凛とした空気に包まれていて神秘的だった。長い歴史を感じさせる深い朱色の柱が強く立っている。子どもは嫁の腕のなかでモゾモゾと動いていた。その温度差が印象的で、写真には収められなかったが脳裏にはフルカラーで焼き付いている。

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