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「オーバーストーリー」

リチャード・パワーズ「オーバーストーリー」(2018)
木原善彦訳 新潮社

伐採される樹木と、人間。そこに生まれた物語。
物語は、樹木のように根を張り、枝を伸ばし、種子を飛ばす。

たくさんの樹木の名前が並ぶ。
定点で同じ木を撮り続ける。
本の中で本が読まれ、書かれる。
植物、写真、本と、好きなものが登場すること。それだけで、個人的には特別に感じる一冊となっている。
(この本を特別に感じた人間が他にもいると推測できるひとつの事実は、2019年のピュリッツァー賞を受賞していること。)

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人間の生き方についての物語にも見える。
環境問題についての物語にも見える。
社会、報道、芸術、科学、政治、経済。
あらゆるものの物語にも見える。

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そして、太古から未来へと続く物語であるとも考える。

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