押し付けられた常識が、邪魔してるかも?
本業としてはテレビのディレクターをやっておりまして、要するに動画編集を仕事にしてきたのですが、
そういう経歴とその伝手のおかげもあって、youtubeの編集のお仕事をいただいたりするようになりました。
で、それを始めたのが昨年末ぐらいのことなんですが、そこから半年ちょっとやってみてわかったこととして、
いわゆるプロというか、その業界の人たちの常識っていうのが、全然求められていないのだなと。
具体的な話で言うと、例えば、テレビ業界の人たちにとって文字テロップっていうのは、あくまで映像に対する補助なのであって、
基本的に映像の力が強ければ必要のないものとして認識されていて、まずそもそもインパクトのある映像を撮ってこいよ、っていうのが常識的な感じになっているわけですね。
だから、テロップはできる限り入っていない映像の方が魅力的であるっていう認識なわけです。
ただ、これがyoutubeの編集とかなってくると、全然話は変わってきます。
まず、全体の構成に口を出すわけじゃないし、そうなると撮ってきてもらったものを編集するというだけになるわけで、
要するに、強い映像がない材料の中から見やすいものを作る技術が求められることになります。
つまり、業界でやってたことと根本的に違うんですね。
正直、これがわかっていなかったので、最初やり始めた時、
「いや、字幕放送じゃないんだから、聞き取れるところはコメントテロップ入れる必要ないでしょ」とか、
「このテロップは何のフリにもならないし、必要ないか」
とか思ってましたが、そうじゃないんだなと。
シンプルに映像の力が全体的に弱いのだから、とにかくずっと視聴者さんを離さないように仕掛けるのが編集の役割なのだということに、やっと最近気が付きました。
でも、きっとこれから求められるのはこっちの力なはずで、なんかもう、作り手がゴリゴリに構成をつくった動画みたいなものってみんな飽きてるんだと思うんですね。
そうなってくると、ドキュメンタリー的な、一期一会的な、仕込んでる感じがないものが好まれるんじゃないかなと。
わかりやすいのは、出川さんの充電旅とかですが、あれこそまさにコメントテロップを入れまくって成立している番組だったりします。
そういう素材は当然ですが面白くない時間の方が多いわけで、今まではそれをカットしまくってコンテンツ化してきたわけですが、これからでいうとそれをどう装飾していくかという技術が大事であると。
そう考えるとテロップを入れすぎるなとか、テロップに意味を持たせろとかっていう常識みたいなものって、
もうあんまり需要にあってないよなということを思った今日この頃というお話でございました。
本日もここまでお読みいただきありがとうございました。
次回もよろしくお願いします。
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