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まさやま朗読劇のあれこれ

 自分の受け取ったものを大切に!これは私一個人の感想だよ!

 まさしとやまとの3連休の話をしておりますが。
ついに配信期間が終わってしまいました。さみし!

ここで二人が披露した
朗読劇「逃げ切って、夏」
        「捕まえて、夏」(表記が既に個人の解釈)
について超個人的な感想を。

 この2本で対になる脚本は五十嵐雅さんが一週間で書き上げたそう。すごすぎ!
落語が元になっているそうですが、ほとんど雅さんが考え構成したと言って良いでしょう。

 ちなみに素晴らしかったと私が絶賛している今回のイベントは、元々やる予定だった内容が何らかの理由でできないということになり断念。ひと月ほど前にギアチェンジ、まったくの別物になったそうな。

それでタイムトライアルで書き上げた脚本がこれ!?凄すぎ面白すぎ!

 脚本の節々には五十嵐雅さんが学んできた落語の要素が。語り口調や、間の取り方、たたみかける言葉の小気味よさ、などなど感じました。
うどんをすする芸(?)は古谷さんも今回のためか、習得されていましたね。素人目なので上手かどうかは分かりませんでしたが、すっと入ってきました。

さて、私的に大まかなあらすじを。

とあるネズミの兄弟のお話。
弟ネズミがネズミ共和国の王となってある日のこと。泥棒として現れたのは、変わり果てた兄。自分が昔一緒に過ごし、憧れを抱いていた兄だった。

強くなりたいと思い続けること。
ネズミがネズミであることを諦めないこと。
どちらも兄から教わった言葉だ。

昔、弟は弱さゆえに、兄と離れ離れになった。兄も弟を守る力がなく、置いていくしかなかった。弟は兄の言葉を信じ、強くなるため、王になった。兄とかつて過ごしたうどん屋に、うどん屋を装って暮らしている。兄はそれから社会に揉まれ苦労を重ね、ここまでなんとか生きながらえてきたのだろう。

弟はうどん屋として兄の逃走を手助けするフリをして付き添い、心に迷いを抱えながら逮捕のタイミングを伺う。
一緒に時間を過ごし、次第に兄も弟に気付く。兄だって、すべてを忘れたわけじゃない。

ネズミ共和国の王として、この先もネズミがネズミであるために、この世界を守るには、やはり兄の力が必要だ。そう思った弟はしっかりと兄に罪を償ってもらい、自分の右腕となってもらう未来を目指し、覚悟を決める。兄はその気持ちを受け取るのだった。

 大まかにこんな感じよ!わたしの解釈ですからね!わっかりにく!ニュアンスも違ったらごめんなさい!

本当に丁寧で素晴らしい描写の本編の、あの空気感と色々は文字で伝えられないのだけれど。

このお話から受け取ったものは色々とありました。
まずはTwitterに書いたことかな


ネズミ共和国憲法
第一条
ネズミは人間に危害を加えてはならない。

第二条
ネズミは人間の笛の音色に服従しなければならない

第三条
ネズミはネズミ自身の身を守らなければならない

というのが出てきます。

 わたしの場合は朗読劇を観ながらこの憲法を読み解くところから始めました。

つまりは人間に対してネズミは弱い立場にある。それ故に平和を保つためには人間に干渉されない世界にすることが必要になってくる。

人間に干渉されないためには、人間に危害を加え怒りを買ってはならない。

理にかなっていますよね。悔しいけれどネズミに生まれた以上、その立場、運命は変わらないわけですから。まずこの憲法について深いなぁと感心した私です。

弱い立場、と言ってしまうのも違うかな。違う生き物としてお互いの秩序を守るイメージかも。(余談ですが大好きな舞台シリーズ、人間と吸血鬼のお話「TRUMP」にて、人間と吸血鬼がお互いに干渉しない協定を結んだというような設定が出てきました。これと繋がってスッと入った)

これによって秩序を保つことがすべてのネズミを救う近道であると、王として信じ、必死にネズミたちを守っているのが弟。

一方、いろんな経験をしてきた兄の思いもよく分かる。人間に踏み潰されそうになったり、食糧がなく、カピカピに干からびたうどんを弟と食べた思い出。
こんな世界に反発しながら、自分の身を守り自分らしく生きてきた。

そんな兄に最後、弟が伝える思い。

あのうどんの味を知っているからこそ、兄にこそ王になってほしい。

これ、もうたまらないですよね。今日の世界だってきっとそうじゃないですか。様々な立場の人の身になって考えられる人が上に立ってくれたら、きっと悩むことも多いけど、心強いだろうな。

それから、謎の敵コロリーナによって秩序が乱れている今、ネズミ界は一つにならなければ的な(雑な記憶)舞台背景がありました。

干からびたうどんの味を知る兄弟が、それでも腐らず諦めず、生き抜く姿。
お話の中で弟は、変わり果てた兄に思いを伝えるために心を込めてうどんをご馳走します。

この辺は配信で見直すうちにじわじわと感じた、完全に私の解釈ですが。

世界の情勢が変わりゆく中、二人の愛する演劇の火も消えかけたことがありました。今も厳しい状況が続いている。その中で強い思いで開催した今回のイベントが、願いを込めた一本のうどんなのかも。(?)

何を言うてる?と思いますけど、そう言う表現してくれそうな雅さんだから!

前記事で書いたように、二人の熱い思いも受け取りましたし、古谷さんも雅さんがこの脚本にこめた思いは色々と受け取っていたようなことを言っていたし。
二人だっていろんな舞台に立ってきた。無観客公演も体験しているし、それでなくたって客席に人が少ない舞台だって経験してここまできた二人だ。

考えすぎかもだけどね!ここだけの話にしておいてくださいな!

ほかにも雅さんは版権の切れた落語から、落語が本来持つ力を現代にも伝えて生かすべく、古典をモチーフにした作品は作り続けていきたいみたいです。(これもこぼれ話で、うろ覚えだけどね)

とにかくたくさんの思いが詰まっていたように感じました。

 見た人で読んでくださった人は解釈違いで嫌な思いとかしないかな不安!そもそもこんなに考えすぎなくていいはずだし!いつも古谷さんが言ってくれるように、受け取ったものを大切にしていきましょうね!

 またぽこぽこ思い出すかもしれないけど。ひとまずこの辺で。
長くなったけど読んでくださりありがとうございました!

寝よっと!

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