さよなら、Tシャツ。
洗濯物をたたんでいた妻が、言いにくそうに、伝えてくれた。
それは、何枚かのTシャツが、洗っても黄ばんできて、捨ててもいいか、という話だった。
気がついたら、白いTシャツの背中のところの色が変わっていた。
在宅Tシャツ
コロナ禍以来、家にいる時間が増えた。
それまでは外出の時のTシャツが少し古くなってから、家で着るようにしていた。だけど、2020年のコロナ禍で緊張感の続く生活の中で、家で着るTシャツを、変えようとした。
やっぱり何となく息づまるような毎日だったので、少しでも、その感じを何とかしようと思ったときに、着るもののことを考えた。
そして、自分が着ている服を一番見ているのは、一緒に暮らす妻だと思い、だから、最初から家で着るためのTシャツを買おうと思ったと同時に、購入時は、妻にも、確認することにした。
そして、それをひそかに、「在宅Tシャツ」と名づけた。
ピグモン
今回、捨てることになったTシャツ3枚は、どれも、その「在宅Tシャツ」だった。
そのうちの一枚は、ウルトラマンシリーズのもの。
このシリーズで買ったのは、確か3枚だったのだけど、どれも、初代ウルトラマンの印象的なシーンがデザインされたものだった。
そのうちの一枚で、ポケットにはピグモンと、赤い風船が描かれていた。ピグモンは、怪獣でありながら、人間の味方になった存在で、身長は人間ほどの小型怪獣。
風船を持って目印にしながら移動をし、人間を助ける働きをしつつも、もっと大きい怪獣によって岩の下敷きになり、絶命しそうになっているピグモンの体から風船が離れ、空をのぼっていくシーンが印象的だった。
そうした場面をTシャツにするのは、記憶を刺激され、買うことを促される選択だと思っていた。
でも、もう着られなくなる。
エヴァンゲリオン
1995年に最初に放送されたアニメの傑作で、このシリーズのTシャツも2着ほど購入した。黄ばんでしまったのは、エヴァンゲリオンのシリーズで、アンビリカルケーブルをモチーフにしたものだった。
エヴァンゲリオンは、電源を大量に消費するから、普段の戦闘では直接電源を本体に送りこむためにケーブルでつながれている。場合によっては、そのケーブルが届かなくなったり、はずれてしまうことがあるのだけど、その時は、活動限界時刻が「5分」になってしまう。
アニメでは、そうした部分もきちんと描かれていることによって、リアルさが増していたように思うが、それをTシャツにしたものだった。
バックプリントには、このアンビリカルケーブルのイラスト。そして、胸ポケットには「活動限界まで あと4:58:50」とプリントされている。
このTシャツも処分することにした。
ビリー・アイリッシュと村上隆
内省的で新しくて、しかも若い音楽家がまた出てきて、その才能に驚いて、しかも歌声も含めて魅力的ですごいと思っていたビリー・アイリッシュ。ここ30年ほど世界の現代アートの世界で戦うように作品を発表し続けている村上隆が、コラボレーションする、というので、買おうと決めていたTシャツだった。
すぐに売り切れるかも、と思っていたら、少し経っても、まだ販売していたので購入した。ビリー・アイリッシュの人型の背景として、村上隆の「お花シリーズ」がホワイトで控えめに描かれているのが格好いいと思って着ていたが、オーバーサイズなので、かなりゆったりとしていた。
このTシャツも色が変わってきていた。
さよなら、Tシャツ
今は、汗かきで寒がりで、だからひんぱんに着替えることになり、Tシャツは好きだけど、汗が目立つという理由で、購入するのはほぼ黒と白だけになった。
そして、やはり、こうして白いTシャツの方が黄ばみなどが目立ってきたりするけれど、黒の方は、もっと露骨にボロボロになるまで着るのだと思う。
ただ、今回、処分するTシャツも、2020年以降に新しく買って、すぐに着始めて、家の中や近所の買い物のときだけでも、3年間ほど着続けた。
それで、もう着るには難しくなったので処分することになったのだけど、ここまで始まりから最後まで、使わせてもらったのは珍しいのかもしれない。
気がついたら、もっと古い10年も前のTシャツでも、大事に着て、その色が黒かったりすると、着る回数が少ないと、年数をかなり重ねることができる。
だけど、こうして古くなるまで着られたのは、やはり洗ったあと目について、気に入って数多く着ていたからだと思う。
さよなら、Tシャツ。
今日まで、どうもありがとう。
そして、また新しいのを買うのだと思う。
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