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メルカリ について〜新規就農者の立場から〜

農業を始める上で必ず考えなきゃいけないのが、どうやって作ったものを売るか。

種を買い、畑を耕し、マルチなどの資材を買い、畝を立て、種を撒き、苗を育て、畑に植え、草刈り・支柱立て・誘引などの管理をし、無事に育った子達を収穫し、調整し、包装する。ここまでだって全てが上手くいくとは限らない。そんな多くの時間と資本と労働をかけて育てた彼らも、最後の【売る場所】がなければ、価値が0と同じ事にされてしまう。初めて農業というものに向き合った時、この理不尽な現実に衝撃しかなかった。だからそれ以来、頭の中は野菜を育てる事と共に、どうやったら彼らを評価してもらえるか。その方法を探す・考える事で埋まっていったのを覚えている。

資本主義の社会で、農産物を商品として世の中に提供する場合、方法はいくつか見つかってきた。

1.農協 2.直売所 3.インターネット販売(これはいくつかパターンがある 4.自らの営業・販路

今回は3.特にフリマアプリ『メルカリ 』について、実際に利用してみた感想を含めて書いていこうと思います。

メルカリはやらない理由が見つからない

結論から言うと、新規就農者にとって正直やった方が絶対良い。理由はいくつかあります。。

1.初期費用がかからない
2.手数料が10%
3.送料もメルカリ価格
4.値段を自分で決められる
5.そもそもの利用者の多い
6.すでにメルカリで農産物を購入するという認識が広まっている
7.お客さんと直接やりとり出来る

まず1.初期費用がかからない。というのはそのままですね。メルカリは無料でダウンロード、アカウント作成出来ます。これは大きいです。直売所に農産物を出す場合、ほとんどの所で入会なり組合なりに登録する必要があったり、会費が必要な場合がほとんどです。登録した所で出荷作業や、片付け、連絡など、意外と手間があったりするものです。メルカリ場合はスマホ一つでOK。出荷も出したい時に出せば良いし、出荷停止したい時もスマホですぐ出来ます。

2.手数料10%はかなり良心的です。農産物を販売する時、手数料は色々な所でかかってきます。直売所は約10 %〜20%。農協出荷は色々引かれて約15%。仲卸業者でも15%〜20%。これくらい手数料として引かれる所が多いです。それをこれだけのシステムと顧客数で手数料10 %。しかも売れた時のみ。これは良心的です。

3.送料もメルカリ価格というのは実は結構ポイントです。郵便、宅急便の二つの方法があり【ゆうゆうメルカリ便】【らくらくメルカリ便】という方法を選択すると、送料が全国一律に。それぞれのサイズの送料も、普通に利用するより低価格になっています。これはかなり大きいです。法人契約などをする事で、送料を交渉する事も可能ではありますが、ある程度の数を毎月送る。など条件があり、個人でここまで送料を交渉する事はかなり難しいと思われます。

4.値段を自分で決められるは、ビジネスをする上で大きいです。栽培にかかった経費、手数料、送料、梱包代、などを計算して、粗利を設定出来ます。もちろん高すぎれば売れませんが、そこは工夫次第。

5.そもそもの利用者数が多いのもメリットの1つです。2020年でも月間利用者数1538万人。その中でもし農産物を買う為に利用する人が1%いるなら15万人0.1%でも1万5000人がお客さんになる可能性があるという事。これだけの人数が来る直売所となると。。

6.すでにメルカリで農産物を購入するという認識が広まっているというのは、結構裏側としてはメリットです。似たようなフリマアプリとして、「ヤフオク」「PayPayフリマ」「ラクマ」なども同じように出品してみても、視聴数がダントツ。ヤフオクも比較的野菜を買う人はいますが、モノにもよるようです。果実などフルーツ系は結構売れるみたいです。

7.お客さんと直接やりとり出来るというのは、個人的に凄くやる気になるというか、エネルギーになります。メルカリの場合は、必ず商品到着後にお互いを評価(レビュー)します。直接お客さんの感想を聞けたり、応援して頂けたりするので、やりがいや、達成感は凄くあります。

以上の事から、まずメルカリは販路の1つとして持っておくのは、良いと思います。

メルカリでの販売のポイント

そんなメルカリですが、僕が実際メルカリで販売しようと思った時に、考えるべきポイントがいくつかありました。

1.そもそも売れるかどうか(人気商品か)

いくら多くの人が利用していても、その農産物が人気かどうかで、売れやすさが全然違ってきます。僕は最初黒にんにくを何点か出品していました。理由は、保存が効く。単価が高い。いくつか購入してくれる方がいましたが、出品してすぐ売り切れになるかというと、かなり波がありました。が夏になりまずミニトマト。そしてズッキーニを出品するようになると、状況が一変。出品する時間帯や曜日にもよりますが、出品してすぐ売れる!という事が良くありました。視聴数の上がり方も黒にんにくとは比べ物にならないほど。

やりとりをしていても感じますが、ミニトマト、ズッキーニには元々好きな方が多いです。トマトは好きな野菜ランキングで上位。ズッキーニもかなり一般家庭に浸透してきて、人気が上がってきていたようです。

2.農産物の大きさ

大きさはかなり考えました。大きい野菜(大根や白菜など、、)は箱が大きくなります。そうなると当然送料も上がります。ヤマトか、郵便物かにもよりますが、1番小さいサイズで175円。その他にコンパクトBOXで380円。60サイズ700円。80サイズ800円。100サイズ1000円。と送料だけでもだいぶ違いが出てきます。小さくて単価が大きいモノの方が粗利は出しやすくなります。大きい箱でも価格が高いのであれば良いので、そこは単価と大きさのバランスを考える必要があります。

3.写真はキレイに。美味しそうに。でもウソがないように。

これは結構感じていて、同じ商品で同じ説明文なのに、写真が変わると売れ行きが変わるという事が、僕の場合は現実起きました。逆に写真をみて「美味しそうだったので、購入させて頂きました!」と言ったメッセージは結構ありました。やはり見た目は結構大事なようです。

メルカリだけでは結構厳しい。

良く売れる事は売れますが、販路をメルカリのみというのは、結構厳しいというのが感想です。というのも、1日にやりとりして販売して、発送してというを20件もあれば結構忙しいイメージです。またメルカリの場合、感覚として1000円〜2000円くらいが良く売れる印象。(フルーツなどは例外)

例えば、1000円の野菜をコンパクトBOXで送る。となると1000-100(手数料)-380(送料)-70(専用BOX代)=450円の粗利になります。1日20件売れて9000円。30日なら27万円。となりますが、この数字はなかなかハードです。

またコンパクトBOXだと大体1キロくらい入るので、毎日20キロ以上収穫出来るものが必要になってきます。それだけ作れても、売れなければどうしようもありません。

もちろん工夫次第という所もありますが、メルカリだけというよりは、上手く組み合わせていくのが良さそうだというのが、今年一年やってみての感想です。

もし誰かの参考になって貰えたなら幸いです。

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