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お米作り〜2020年〜 課題まで

昨日数枚ある田んぼのうち、1枚を稲刈りしました。結果から言うと去年より多く収穫出来、そういった意味でも実り多い年になっています(^^)

★目標とする収穫量

そもそも収穫したい目標値があって、どれが正解かはわかりませんが、今現在目指しているのは10 aあたり【450kg】という数字です。

一般的に慣行農法で栽培すると500kg〜600kg収穫出来ると言われています。私の周りでは660kg〜720kg近く収穫するという方もいるくらいです。机上の空論での話をすれば、稲が最高の状態で育ち、天候も最高に良かった場合、葉面積と光エネルギーから計算すると10aあたりなんと1200kg!!収穫出来る力を持っているそうです^^;

無農薬・無化学肥料で栽培した場合、400kg収穫出来ればかなり上出来ではないかと言われています。私の知る無農薬米農家さんもだいたいそのくらいで、一般的な500kg〜600kgの収量というのは稲や田んぼにとって無理がある、自然ではないという話を良く耳にします。

味なのか、収量なのか、ナチュラルなのか、その人の基準によりけりだと思うので、正直正解があって無いようなものだと思いますが、自分の感覚的に450kgは、目安の一つになっています。

★今年の結果〜来年の改善策〜

まず今年の結果から。

品種を2種類栽培していて、その一つのコシヒカリ。26aの田んぼで、去年は18袋(1袋約30kg)。今年は31袋!10 aあたり約350kgでした。昨年からの課題は。。

・分げつ数を増やす

・雑草を減らす

去年は分げつ数が圧倒的に少なかった。一般的に言われているのは1株に20〜25本茎が出来るまで分げつを促すのですが、去年は良くて10本。少ない所は5本の株も。。原因としては7月までの管理。分げつ数が決まるまでの期間です。

分げつに必要な要素

稲が分げつするのに最も重要な要素は『温度』です。もっと言うと温度差。色々な研究論文を見ると日中の温度は25℃〜30℃の間、夜間15℃〜20℃。温度差が10 ℃〜15℃くらいある時に、最も分げつが促させているというデータの傾向が見て取れます。様々な研究の実験方法や結果から見て、分げつに関しては土壌成分の影響より、【温度】が稲に影響を与えている事がわかります。

稲の分げつ期にこの温度を合わせる事を最重要課題として今年は取り組みました。

1.田植えをする時期

そのためにまずした事は田植え時期を去年より遅く設定し、苗作りを計画。私の地域ではだいたいゴールデンウィーク辺りで田植えが行われます。ですが気象庁のデータを見ると、分げつの理想の最高気温に達するのが、例年5月下旬あたりから。なので今年は5月20日を田植えに設定しました。このあたりになると地温を上がってきて、田植え後の活着も、スムーズにしやすい気温になってきます。

2.田植え後の水管理

気温は管理出来ませんが、田んぼの水の量調節する事で、水温はある程度コントロール出来ます。深水→保温性◎  温度変化 少

浅水→保温性×  温度変化 大

田植え直後は、苗の活着を促したいので、深水管理。活着後は分げつを促したいので、浅水にして水温を上げやすく、下がりやすい状態に。

去年は雑草対策や深水栽培を参考にしていた為、この時期からずっと深水にしていました。。稲の生態や深水栽培をもっと勉強していればこんな事はしなかったでしょう。

3.雑草対策

分げつに必要な要素は【温度】もっと言うと水温と地温。新たに茎を生み出す成長点の温度です。水温を上げるのには【浅水】。地温を上げるのに【雑草対策】です。せっかく太陽光が降り注いでも、雑草で覆われていては地温が上がりません。6月〜7月。この時期だけは何がなんでも土が見える状態にする。その為に今年は4回中耕しました。

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株間を耕す。田んぼを歩きながら専用の器械で雑草を混ぜ込んでいきました。

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農薬の代わりに、私の体力を使います(笑)

これらの対策の結果、今年は1株あたり良い所で20本、少ない所でも10 本〜15本くらいに!今年のコシヒカリ君達は、分げつに関してはある程度文献通りの動きをしてくれていました。

〜来年の改善策〜

ここまで見るとだいぶ良いのですが、実はもう1つの品種の分げつ数が今年も少ない様子です。まだ収穫していないのですが、コシヒカリよりも収量は間違いなく少ないと思われます。茎数で言うと良い株で15本、少ない株で5本くらい。。その理由として考えられるのが【植え付け量】です。田植え機で植えているのですが、今年の田植え後の田んぼを見ると、

コシヒカリ→3、4本

もう1つの品種→1、2本

分げつに必要な温度・条件が整っている場合、分げつに要する日数がだいたい5日〜7日。分げつ期と呼ばれる期間が約30日。上手くいって1本の苗が6次分げつ。子分げつ、孫分げつなどもあるのですが、さすがに1本植えではこの期間で20本以上にするにはかなり難易度が高そうです。。

一般的には1株4、5本植え付け、約1ヶ月で25〜28本の茎数になった所で、分げつを抑え意味も含めて『中干し』の段階に入ります。

同じ苗取り量、むしろコシヒカリより多く設定したのですが、このような植え付け量になってしまいました。原因は【種まき】にあると考えています。実はもう一つの品種はコシヒカリよりも米の粒が大きな品種。同じ機械で播種しているのですが、粒が大きい分、同じ量の設定でも苗箱に落ちる籾の数が少なくなってしまいます。その結果苗の密度が低く、私が使っている田植え機では、最大の植え付け量設定でも1、2本しか植えられない苗箱になっていたようです。

品種によって種まき量を変える

去年は165g設定で播種していました。コシヒカリは苗の成長具合も良かったので、良いとして、もう1つの品種は、もう少し多目に設定を変えていきたいと思います。

今年は、苗づくり〜分げつ期までの管理、方法を学習し、実践してある程度の手応えが掴めました。ここに更に今年の結果からの改善策を加え、来年は今年を上回る良い稲を作りたいと思います。

自分の記録という意味ももちろんですが、

様々な『〜農法』が世の中に溢れています。でもどんな田んぼなのか。どんな地域なのか。どんな機械を使うのか。どんな品種を作るのか。色んな要素が絡み合って農業の方法は変わるはずです。ダイエットなんかも同じですが、方法や名前に振り回されず、本質を見て、考え、自らチョイスしていく

そんな人の為に少しでも、この投稿が参考になれば幸いです。

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