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スタートアップ「SaaS事業」立ち上げの舞台裏(前編) 

こんにちは!スリーシェイク広報担当の徳山です!

スリーシェイクは技術支援サービスを主な事業として展開してきましたが、2022年に新たにSaaS事業への本格的な参入を決定しました。
しかし、エンジニアリングに特化したスタートアップ企業のSaaS分野への進出は、予想以上の課題と困難を伴いました...。

そこで今回、スリーシェイクがどのようにこれらの課題と困難を解決しつつSaaS事業の立ち上げに挑んでいるのか、代表の吉田とIncubation事業部長の手塚にインタビューを行いました。
「エンジニアリング会社がビジネス部門を新設する苦難」、「何をやっても成果が出ない暗雲期」、「チーム文化の形成」についてなどを深掘りしております。

このインタビューが、皆様のSaaS事業展開やチーム運営に役立つヒントや気付きに少しでもなりましたら嬉しく思います!

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話を聞いている人
・広報担当 徳山

話を聞かれている人
・代表取締役社長 吉田
・Incubation事業部長 手塚
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小規模な体制からスタートしたSaaS事業

徳山 :では、早速ですが、もともとSaaS事業はどのような体制で運営されていましたか?

吉田 :もともとは僕の直下で小規模で動いていて、本格的に事業を拡大する体制ではなかったんですよ。
SaaS事業のクラウド型データ連携ツール「Reckoner(レコナー)」とセキュリティサービス「Securify(セキュリファイ)」を成長させる必要があるんだけど、代表がそこに本腰入れて入るわけにもいかず、担当者がいないという状況でした。

手塚 :自社サービスとして立ち上げた飲酒量管理ツール「drireco(ドリレコ)」が2022年ごろ終了したのを機に、スリーシェイクとして自社のSaaS事業をこれからどう進めようかと課題になっていたんですよ。
誰がSaaS事業を引っ張るかというのを吉田さんの目線に立って俯瞰的に見て考えた結果、自分を使った方がいいんじゃないかなというのがあって僕から提案しました。 
吉田さんから「手塚さん入ってくれたらな」と、以前から言われてはいたんですよね。

吉田 :そうそう。
SaaS事業に入ってほしいなっていう目線は送ってました(笑)
でも僕は、手塚さんが自分からやるって言ってくれたからお願いしました。やっぱり、自分で引っ張ってくぞっていう覚悟がある状態とそうじゃないのって全然違うので。手を上げてくれたのは嬉しかったですよね。


SaaS事業を統括する部門の誕生

手塚 :当時、僕はSRE特化型コンサルティング事業 Sreake(スリーク)事業部の部長だったんですが、チームのリーダーシップも確立され始めていたし、尾張さん(現 Sreake事業部長)がチームに加わった時期でもありました。これからさらにコンサルティング事業を拡大していくとなった時に、尾張さんのこれまでの豊富な経験の方が役立つという考えもあったので、 Sreake事業部は離れてSaaS事業の立ち上げに入る決断をしました。

徳山 :コンサルティング事業とSaaS事業はまったく異なる分野だと思うんですが、SaaS事業を立ち上げる自信みたいなものは当時からあったんですか?

手塚 :ないですね。まったくない!
コンサルティング事業をやってる方が個人的には成果を出しやすいし、自信も出てきた時ではあったから、 そこを完全に離れるっていうのは覚悟がいりました。
でも、チャレンジの方がね、面白いかなと(笑)

(SaaS事業の立ち上げに入る決断をした際の手塚から吉田へのDM)

徳山 :SaaS事業を本格展開するにあたり、「Incubation事業部」が設立されたのですよね?

吉田 :そうですね。Incubation事業部は、スリーシェイクのSaaS事業を統括する部門で、「SaaS事業を立ち上げて、完成度を高めて、マーケットフィットさせて、お客様に価値を届ける」を一気通貫でやる事業部として立ち上げました。
手塚さんには、そのIncubation事業部の部長として入っていただきました。

手塚 :「Incubation事業部」という名称は、この事業部のミッションの「プロダクトを生み出し、孵化させていく」というところから名付けました。


エンジニアリング会社がビジネス部門を立ち上げる苦難

徳山 :SaaS事業の立ち上げを実際に始めてから、挫折や困難な点はありましたか?

手塚 :スリーシェイクはもともとエンジニアリングに特化した会社ですし、コンサルティングが主要な事業だったので、新たにビジネス部門を立ち上げるのはかなり厳しかったです。とくに、2023年上期のマーケティング部門立ち上げ期は本当につらかった(苦笑)
僕に経験や専門知識もないし、会社としてもノウハウがなかったので、 力不足で紆余曲折してしまって、みんなに負担をかけてしまったのが、つらかったところですね。

吉田 :そうですね。大きい会社だとノウハウがあったりするんですけど、スリーシェイクにはそもそも「製品を売る」という文化がなかったんでゼロからでした。
しかも普通は1つの新規事業に集中するけど、Incubation事業部は全く違う2つの新規事業を同時に推進しなければいけない。
SecurifyとReckonerのような分かりにくいテックプロダクトをどう展開していくかって、日本ではあまり知見がないし、僕らとしても未知の領域で本当に正解がわからないという感じでしたね。

手塚 :そうですね。1年かけてやっと徐々に見えてきたってところですね。

吉田 :2022年から2023年の前半にかけて、一般的なセールス、マーケ手法ほとんど試して、あらゆる失敗をして、その結果やっと答えが出ましたっていうイメージです。
面白いのが、ReckonerとSecurifyで同じアプローチをしても結果が全く違うわけですよ。マーケ営業手法って、教科書に書いてある通りでは絶対うまくいかなくて、ちゃんと1つ1つ探っていかないといけない。

手塚 :B2Bのビジネスにおいて突拍子もない施策ってほとんどなくて、 こうした方がいいみたいなものは教科書に書かれているので、勉強すればある程度みんな同じ答えに辿り着くのかなと思っています。
でもその中で、本当にうまくいくものっていうのは実践の中でやってみないと分からないですし、そのしんどいプロセスを耐えて、乗り越えられるかどうかが鍵なのかなと。
この1年やってみて、結局のところ「やるかやらないか」、そして「やりきれるか」が重要ってことが、とにかく身に染みました。

徳山 :手塚さんが事業の立ち上げに取り組んでいる間、吉田さんはどのような心境で、どのように関わっていましたか?

吉田 :ま、正直、一緒に焦って一緒に悩んでたんで(笑)
手塚さんがフォワードとして突っ走ってて、漏らしたボールをとにかく後ろから拾って返すみたいな、僕はそういう役割かな。 
二人三脚でやるぞ!っていう、そういう心持ちですよね。


前編では、スリーシェイクがどのようにSaaS事業の立ち上げに挑んできたのか、その初期段階の課題と苦難について触れていきました。
後編では、Incubation事業部が直面した「何をやっても成果が出ない暗雲期」をどのように乗り越えたのか、どうやってチーム文化を築いていったのかを詳しくお話ししていきます。
スリーシェイクのSaaS事業立ち上げの舞台裏全容が明らかになる後編をお楽しみに!

後編に続く
スタートアップ「SaaS事業」立ち上げの舞台裏(後編)