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3.『3点バースト速習』メソッドによる「英単語速習法」(続き)

こんにちは。
前稿では、『3点バースト速習法』による英単語速習方法をザックリと(長文になりましたが笑)ご説明しました。

本稿では、英単語を「3点バースト」(=語源学習法)で速習することの学習効果について書きたいと思います。

英単語を「3点バースト」で速習すると?(承前)

(3)①記憶の早期定着、②応用力、③体系的思考力が得られること

この点について、まず応用言語学者・英語教育研究者(立教大学)である中田達也先生の『英単語学習の科学』(研究社 2019年)から、語源を用いた英単語学習の効果について述べられた箇所を抜粋して紹介します。

語源学習法には、(1) 単語の長期的な記憶保持が可能になる、(2) 未知語の意味を推測するヒントになる、(3) 単語の体系的・効率的な学習が可能になる、といった利点がある。

『英単語学習の科学』第11章「語源で覚える英単語」

そのままですね(笑)! 『3点バースト速習法』は英単語学習に特化した学習メソッドではありませんが、語源を中心とした英単語学習法には上記のような学習効果があることが、学問的にも認められているわけです。

浅学非才の筆者(私)が僭越ながら付言させて頂くと
(1) 「単語の長期的な記憶保持が可能になる」つまり忘れにくくなるという効果は、同時に①記憶の「早期」定着にもつながるはずです。忘れにくくなるということは、英単語帳「1周め」の学習の直後に2周め、3周めの「高速回転」に移ることで、結果的に早期の記憶定着を可能にするからです。

また、仮に1周めで忘れてしまっても語源という「とっかかり」があれば忘れかけた単語を思い出しやすくなるわけです。このような「とっかかり」となる知識のことを『3点バースト速習法』ではブリッジヘッド(Bridgehead:橋頭堡)と呼び重視しています。

ブリッジヘッド(となる知識)を築く。
そして、そのブリッジヘッドを固守する。

これが速習の重要ポイントの一つなのです!(「ブリッジヘッド」は『3点バースト速習法』のキー・コンセプトの1つですので、別稿で詳しく取り上げます。)
   
次に、(2) 未知語の意味を推測するという点。これは、まさに英単語学習における②応用力そのものです。単語帳をクルクルと回転させるだけの学習では
この応用力はほとんど身につかない
。正しくは、教えられなくてもそういう法則性を見出せる人もいるかもしれませんが、それはそういう才能を持った人がいるというだけで再現性がありません。できるだけ多くの学生に、どうすればそのような応用力を身に着けさせることができるか。それを考えるのが学習方法論です。この点で語源学習法は比較的多くの研究者・実践者によって「未知語の推測機能」が認められており、応用力が「再現的に習得され得ること」が実証されています

さらに、(3) 単語の体系的・効率的な学習が可能になるという点です。単語の効率的な学習はさておき、「単語の体系的学習」という筆者(私)のキーワードを中田先生のご著書の中に見つけたときは、正直、

      キターーーーーーーっ!!

とひとりで盛り上がってしまいましたが(笑)、どうやら文脈的に「複数語を同一語源でまとめて覚えること」をもって「体系的」とおっしゃっているようですね。「単語を体系的に覚えるから、効率的に覚えられる」というように使われている。それはそれで一つの「体系」ですが、筆者の考える「単語の体系性」とは、究極的に個々の英単語が「英文法体系」にヒモ付けられることですので、必ずしも中田先生のお考えになる「体系」とは異なります。(これは延々書き続けてしまいそうな論点ですので、やめにします。)

ここまで、お読みいただきましてありがとうございました!
(次回は、そもそも、なぜ「速習」が必要なのか?を考えます。)

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