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英語資格の勉強法⑷ 英検準1級の速習法

さて、前稿まで「英語資格(に限らず資格試験全般)
結局、実力をつけてナンボです」というある意味
ミもフタもない結論でした。

「英語資格の勉強法」というタイトルは偽りか!?
と失望された方もおられるかもしれません。

そこで今回は、10月6日(日)実施予定の英検準1級
に向けて勉強を重ねておられる皆様のために、
残された3週間弱の間どのような勉強を続ければ
合格可能性を高めることができるか
、また、
どのような勉強を続ければ仮に今度の試験で結果を
出せなかったとしても「次につなげる」ことができ
るか
、という観点から

      英検準1級の速習法

というサブ・タイトルで書きたいと思います。
(速習法、といっても合格保証はできません。
試験までに1回し・2回しして「あ、少しはチカラ
がついてきたかも…
」という実感を少しでも持って
頂けるような方法をご紹介します。

なお、当稿を執筆するにあたっては、筆者は
ウェブ上で公開されている直近3回分の過去問のみ
事前に検討しております。

受検者の方は、最低限、6回分程度の過去問が
掲載されている『全問題集』などの市販過去問集
をご用意ください。(すでにお持ちとは思いますが)


1.英検はとにかく単語(&熟語は無視)!!

英検全般に言えることですが
「とにかく単語学習が命!!
特に準1級・1級はボキャブラリー対策が必須です。

まあ、考えてみれば単語が語学学習の基本
ですから、当然ですね。そして、単語学習には
時間がかかります。

ただ、どうしても英検準1級に受かりたい!
という方は単語学習について、次の方法を
試してみて下さい。

(1)英検準1級にでる単語を扱った単語帳
使用する。(出版社名は問わない)

『パス単』準1級などが標準的でしょうか。
ただ、大学受験生の方で『ターゲット1900』
(6訂版)を使われている方は、巻末の
「英検準1級によく出る単語200」を活用して
もいいと思います。

(2)今学習している章の定着度をチェックする

たとえば、
パス単準1級の「でる度B」をやっている途中なら、
その500語の、ターゲット1900の「Part2」
をやっている途中なら、その700語の
訳語が1つでも言えるかをチェックしてください。
完璧を期している時間はありません。
1語1訳でどんどんチェックしてみて下さい。

よくいるのが、心を入れ替えて最初からやり直す!
という人ですが、これは無意味です!
いま学習している途中の章を、まずやり遂げる
それが直前期の原則的な心構えです。

その章が終わったら、次にチェックすべきは
パス単」なら最終章(でる度C)の600語
ターゲット」なら巻末の「英検準1級」200語
です。

なぜ、ここをお勧めするかというと、おそらく
一番手が回っていない
章であると思われること、
そこを直前期に一気につめることで、直前期の
緊張感を利用して、意外にも難単語が記憶できる
ことが多いからです。

(3)覚えていない単語の訳語を「自分の方法で」
覚える

いつもは「単語は語源から覚える」ことを推奨
させて頂く記事を書いていますが、直前期に戦術を
変更して良いことは何もありません
(笑。

ご自分の経験上、一番速く覚えることができる方法
で「その単語の訳語」を覚えて下さい。

ちなみに、時々「英作文でも使えるようにスペルも
と考えて綴りの練習を始める人がいますが、それは
直前3週間を切った時点でやることではありません
何より付け焼き刃で覚えた英単語を英作文で使える
ことはまずあり得ません。

まずは訳語だけを覚えて下さい。

(4)過去問大問1を毎日1問は解く。 

『全問題集』なら6回分の問題が載っているはず
ですから、大問1の語彙問題は毎日1回解く
解答集を見て4択の単語のうち、わからないものは
覚える。
あと3週間あれば、語彙問題を
最低でも3回は回せます
これだけで、英検準1級に出る英単語・熟語を
450語以上チェックできます。


(5)長文問題の中に出てくる未修単語も覚える

意外と受検者の方がやらないのが、これです。

単語対策というと大問1の25題(2024年からは
小問18題)の対策しかされない方がいますが、
英検の問題は長文の中にも「その級に応じたレベル
の単語」がうまく散りばめられています

英検の問題は(歴史が長いだけあって)うまく
つくられている
のです。

長文中の知らない単語を、お手持ちの「パス単」や
「ターゲット」等で調べて出てきたら、そこにも
付箋(ポスト・イット)を貼って覚えましょう

(6)熟語は対策しない。

英検準1級、1級の第1問に出てくるイディオム問題
は難しいです。直前に付け焼刃で対策しても
何ともなりません
。英検1級ホルダーでも、
準1級の英熟語問題は、ちょいちょい落とします笑。

そもそも、実用英語に出てくるイディオムは
覚えにくい
ものです。じっくり、時間をかけて
例文の中で覚えていくしかないものですので、
直前期の勉強には全く不向きです。

2.長文問題は繰り返し過去問を解く


これに尽きます。下手に「対策本」などを使わずに、
過去問の長文問題(大問2と大問3)を、時間が許す
限り繰り返す

英検の長文は(どこぞの「大学入試共通テスト」の
ように)変にこねくり回すことなく、英語の自然な
ロジックを素直に問う良問ばかり
です。大学入試の
英語長文の基本的な読解作法を身につける対策
として
も、英検準1級の長文問題は優れているのではないか
と考えます。

「長文についても『文で覚える英単語(文単)』など
を利用して、さらにリスニング対策として音声も活用
して
」と考えるのは、この期に及んでは邪道です
リスニング対策は過去問に出てくるリスニング問題
をひたすら繰り返し聞けば良い
のではないでしょうか。
(もちろん、ここまで順調に『文単』が進んでいて、
リスニングも継続して行われている方は、 
それを継続して頂いてまったく問題ありません。)

3.英作文対策は準1級過去問(解答集)と「あえて2級の過去問集」

さて、今年から導入された要約問題ですが、実際に
解いてみますと、割と対策がしやすいのではないかと
感じました。

市販の対策本を利用されても良いのですが、むしろ
英検2級の過去問(ウェブサイトでも3回分は掲載
されています)の長文問題を要約してみることで
十分、対策になるのではないかと思います。
(その場合には解答例が無いのが難点ですが。)

英作文対策は、基本は過去問をすべてつぶすこと
ですが、その際に模範解答の活用(暗記)
欠かせません。(なお、この記事は、直前3週間を
切った時点で、英作文対策ができていない方を
念頭に書いていますので、しっかり対策を詰めて
おられる方は、従来の対策を継続していただいて
結構です。)

ただ、一般論として、英語長文問題を解く、という
作業は英文・英語表現のPassiveな理解で足ります。
そのため、長文問題中の英単語・表現のレベルは
準1級であればそれなりの難易度に上がります。
しかし、一方で、文章を要約する、英作文を書く
というActiveな語彙活用能力が要求される問題

ついては、英検の級でいえば、1ランク下がった
レベル
(準1級ならば、英検2級レベル)の英語表現
で作文ができれば合格点に達するのではないかと
考えています。

実際に、私自身の英検1級対策の際、もちろん、数冊
英検1級用の対策本を、過去問とともにつぶしました
が、どうにも解答例のレベルが高すぎて「これは
自分には書けない
な…。」と思いました。

そこで、その時に行った対策が、「英検準1級の長文
問題の英文」を英語で要約する
(当時は要約問題は
ありませんでしたが)という方法でした。

当時はDeepleではなく、Google翻訳が少し使えた
くらいでしたが、自作の英文をこのような機会翻訳
ツールを活用して添削
してみると、なかなか良い
具合だったと記憶しています。

4.まとめ

英検やら、TOEICやらの具体的な対策・戦略論に
ついては、多くの英語noterさんたちが、既に
多くの良記事を書いておられます。

本稿に若干の意義があるとすれば、
(1)直前期になかなか勉強が進んでいない方
(2)新しく出題されるようになった要約問題の
  対策に苦労されている方

にTipsが少しご提示できるかな、というくらいです。

最後に。
英語資格試験は「合格する」ことも大切ですが、
その資格に見合った「英語力」を
身につけることも、同程度に大切
です。

そして「合格する」ことも「英語力を身につける
ことも、いずれも「現時点の自分の足もとから
歩を進める
」ことからしか到達できません。

煎じ詰めれば、どこから始めても良いのです。
3週間を切って焦る気持ちも良くわかりますが、
ここで諦めてしまうのは、もったいないです!

拙稿が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
長文を読んで頂きありがとうございました。





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