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ギックリした要

5日前の夜、洗濯物を干していた時急に、腰に激痛が走った。
ヘナヘナとその場に落ち、1ミリも動けなくなってしまった。

(え、なにこれ、痛い、めちゃくちゃ痛い上に動けない、、、絶対にギックリ腰やんけ!!)


「お、おとうたーん、おとうたーん(;o;)」

か細い声だが切実に、少し離れた場所にいた夫を呼んだ。

「どうした?!転んだの??」とびっくりする夫に

「コケてない、急に腰に激痛が走って痛い動けない多分ギックリ腰(;o;)」


矢継ぎ早に説明した私に、脇を持って一先ず室内に移動するよと彼は言い、そのまま室内へ、

私は軽くパニックで「え!なにこの後どうすればいいの?!?!」と腕で身体を支えながらアタフタしており、
一先ずそこに寝たらと言われるも、

「横になったらもうそこから起き上がれるがしない!」と言うと、

「ちょっと洗濯物全部干しちゃうから待ってて」と言い、せっせと干し始める夫。

なんて冷静なんだ、感心しちゃうぜ、と今、思い返すと思う。

夫のこーゆーとこが好きだ。

その後、1ミリも自分で動けない私を大きなクッションに乗せ、それを寝室まで引きずって、そこからまた脇を持って布団まで私を持って行き、なんとか寝かしてくれた。

横になると痛みはなくなった。  

この時点で尿意はないが朝は必ず行きたくなる私、だが全くトイレまで自力で行けそうにないので、朝になったら鎮痛剤を飲んで行ってみよう。
夫は薬と雑穀茶を枕元に用意してくれ、

一先ず寝てみて経過をみよう、

そう2人で暗黙の了解をとり、床についた。

一先ずトイレに行けないのが怖すぎて一通り検索したが、有益な情報が中々出てこない。
直後の寝る体勢とかは大変参考にはなりましたが。

出てくるのはここまで重いギックリ腰は2、3日は痛いままだと言う事。

2、3日。。。長すぎる。。
自ら動けもしない以上、二階建てのこの家から階段を降りて車に乗って病院に行くのは到底無理だった。夫に支えてもらったとしても、
腰に力を入れる事も体重をかける事も出来ないから全然ムリだった。

救急車の案が一瞬出たが、このご時世、命の危険はなさそうなこの件で救急車を呼ぶ事は私には到底出来なかった。

トイレさえ自力でいければ、あとはどうにかなる、、そう思い、寝た。

すぐ起きた。どう寝ても手足が痺れてくる。主に下になってる方の手足。
寝返りするにもとてつもなく時間がかかった。
腰に激痛が走る為、少しずつ腰を持ってずらしながら向きを変えた。

そうこうしてると朝になり、尿意がきた。
市販の鎮痛剤を飲んだが全く効かなかった。

まずい、この動きの鈍さなのに、尿意が差し迫っている。。早くしなければ。。

そう思っていると夫が起きてきたので、
またでかいクッションどうにか乗って、トイレまで引きずってもらった。

脇を持って便座まで連れてって貰ったが、腰が激痛で座る事を許さず、
しかし差し迫る尿意!!

「出ます!」

そう言って夫の前でしてしまう事態に。

私の中の少女は切なく別れを告げた。

私の落ち込みをよそに夫は何も気にしてないかの様にズボンをあげてくれた。

その日、私はご飯は食べずに少しの水分のみで過ごした。

大の方だけは見られたくない、これは私の中の少女の最後の戦いなのだ。

夫は大も小も変わらないのだから、食べればいいのに。と言っていた。

そんな受け入れ体制万全の夫にまた惚れたが、そこはどうにか死守した。

翌日には四つん這いでトイレに行ける様になり、付き合ってる時にデート先で何故か買った杖を使って、なんとか1人で用をたせる様になったのだ。

嬉しくてちょっと涙出た。

3日目の朝、夫がホームセンターでおじいちゃんが使う様なしっかり下にゴムの滑り止めの付いた杖を買ってきてくれて、私も少しなら座って居られる様になったので、最寄りの整形外科へ行った。

駐車場から目と鼻の先の病院に行くのに、恐らく10分近くかかった。杖はあるがまだまだ腰は痛くて、ちまちましか歩けなかったから。

優しくて丁寧な看護師さんや女医さんに丁寧に診てもらい、ギックリ腰ですねとお墨付きをもらい、
筋肉を和らげる薬や鎮痛剤、サポーターを処方してもらった。
帰りの受付の方のテキパキとしたやり取りと病院に車横付けして良いよと男前な配慮を頂き、早速で帰宅出来た。

そこからは薬とサポーターであれよあれよと良くなっていき、5日目の今日は炊事は出来るし立ってる時はほぼ痛くない、最高ー!!!と叫びたくなるくらい軽快になっている。

少し前まであんなに痛くて立てもしなかったのに。人体の不思議に慄いている。


今回、夫の献身的な看護に心が打たれました。
元々有事に頼りになる人だって事は知ってたのだけど、ここまで配慮ある介助をしてくれるとは思っていなかった。

夫は1日目私の身体を拭いてくれ、2日目は髪を洗ってくれ、綺麗に乾かし、ご飯を作り、食べさせてくれた。
他の家事育児も全部。

普段そこまで率先してやるタイプではないのでよりびっくりしたけど、
本当に心からありがたかった。
頭が上がらない。

しっかり元気になった暁には、どう労おうか思案している。


ギックリ腰怖すぎたけど、夫が更に愛しく、尊くなった出来事でした。

ひとまず完。








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