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【読んだ本】ヘルシンキ 生活の練習

こんばんは。

2022年に読んだ本で、とても好きな本のうちの一冊について書きたいと思います。

「ヘルシンキ 生活の練習」
著:朴 沙羅

2020年2月からフィンランドで仕事をすることになった作者と娘のユキと息子のクマの、フィンランドでの生活が綴られています。

子どもに対する考え方や社会の仕組みに、日本とフィンランドで違うところがたくさんあり、とてもおもしろくて考えさせられます。

例えば、フィンランドの保育園では園児に朝ごはんを食べさせてくれます。先生から「朝起きたら、服を着替えてそのまま連れてきてくれてかまいません」と言われるので、登園直前に子供を起こして顔を洗い着替えさせておけば、保育園で朝食を食べさせてくれるそうです。保護者にとってありがたいサービスですよね。

それから、園児や生徒に対する先生の考え方や教育方針にもずいぶん違いがあります。印象深かったのは、息子のクマが大人の指示に従わないことに対し、「自分の独立した考えを持っているということなので、いいこと」と評価されたり。

心に残ったことばもたくさんありました。

『誰かにずっと助けてもらわなければ、私はーもしかしたら、少なからぬ人々がーあっという間に毒親になってしまう』
作者は小さな子ども2人でフィンランドで暮らし始めましたが、国や自治体、保育園と学校の先生、社会の仕組みに助けられながら子育てしています。母親がひとりで完璧である必要はなく、フィンランドでは子育てにおいて母親以外の大人や国や自治体が負担する部分が多いようです。日本でも、母親、父親に限らず、祖父母や親族、身近な他人、自治体や国や教育機関がもっと広範囲で子育てを担う環境に変わってほしいと思います。

「金と勉強は、人間を自由にするんや」
「勉強は人間を自由にするんや。だから勉強は楽しいんや」
作者が娘のユキに話した言葉です。P183〜185のガストンのくだり、この本の中でも特に気に入っているところです。

ちょうどこの本を読んでいた時期、私は無職期間中で、当時小学1年生の甥の世話に奮闘していました。作者とユキとクマの間のできごとや対話の中に、子供への向き合い方として参考になるエピソードやフレーズがたくさんあります。なるほどこんなふうに伝えたらいいかも、と思ったフレーズを実際に甥に対して伝えてみたりもしました。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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