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[カゲリの『言語障害なんのその!!』第3回]第一歌集『中指いっぽんのうた』よりランダム自選10首。




はじめまして! 或いは、こんにちは。赤い電動車椅子の詩人ミカヅキカゲリです。




[カゲリの『言語障害なんのその!!』第3回]第一歌集『中指いっぽんのうた』よりランダム自選10首。


おとうとの指があばらを辿っては「痩せたか、」を問う身を竦ませる

亡きひとがいつも云ってたわたしには「鉱脈がある、何かを為せる」

もうずっといのちの電話は話し中おそらくだけど5人は死んだ

夜のまちをスーパーを目指しすすむとき、ガソリンスタンド火薬のにおい。

足掻いてもどうにもならない障害を氷砂糖と名づけて眺む

わたしから喪われてく社会性 でもだいじょうぶ 爪は切ってる

羽のなき扇風機みたくぼくたちは理屈わからずいまを生きおり

おとうとが死体みたいに投げ出した昼寝の両の弱きあなうら

夕焼けと柱時計が刻む刻(とき) ピンクの象のおくすり手帳

〈やさしい〉と〈かなしい〉何処か似通って夕餉の支度 茄子味噌だとか


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