見出し画像

離婚確定:良い決断をするのではなく、良い決断だったと思える人生を歩む

週末の噛みつき事件でうっかり忘れそうになっていたが、月曜日は調停であった。

なんと今回は、とうとう動きがあった。

離婚がやっと決定した。

過去数年間、離婚を目指して進めてきていたので、
「やったー!!」とか喜びそうなものなのに、

実際に決定してみると、拍子抜けしてしまったように放心状態で、
「あ、そうなんだ・・・。」と、なんとも腑抜けたものであった。



前回、4月末に裁判所に行ってみたら、担当の判事が異動により変更になった事が分かったが、その日はそれで終わってしまった。

「もうこれ以上待てない!日本に帰国する!」と怒る私をなだめ、「後もう一回だけ裁判所に来て進捗を確認しよう、それでだめだったら日本に帰国できるように少し先のスケジュールにする」、と言ってくれた弁護士には感謝である。



今回は、前日の噛みつき事件の為、朝は中々起きられず、家を出るのが7時半になってしまった。その上、この日は運悪く、事故も複数件あったのだが、急いでいたため、いつもとは違うルートで行ってみることにした。

知らないルートではあるが、既に何度も往復しているので、所々は既に知っている事が徐々に分かって来た。「なるほど~ここにつながるのか~」などとパズルのピースをはめていくような気分であった。

やっと知らないルートでも、Google Mapを見ながら運転できるようになってきたな。

Google Mapの通知通りに、事故による渋滞が2か所もあり、のろのろと進んでいる間は、前日の寝不足が響く。疲れと眠気から目が閉じそうになり、慌てて目を開け、運転席で体をできる限り動かして何とか目を覚まそうともがく。

朝がんばって起きて出発したにも関わらず、到着したのは9時半であった。(2時間もかかった)判事が出てくるのは、早くても10時半なので、急いで裁判所の建物に入ってベンチに座り、仮眠をとる。

私と弁護士は何とかして判事を朝一番で捕まえようとしており、朝10時には裁判所の部屋で待ち合わせた。10時過ぎに先に弁護士だけが中に入り、「後で声をかけるから」と言われていたので、ドアの前で待つ。

手招きされたので、中に入ると、バッグを持って入ったことを叱られた。
「なんなのこの小娘は常識も知らないの?」と言わんばかりだった。

え・・・・?そんなに怒る必要ある???
貴重品は手放したらいけないって常識じゃないの。

しかし、弁護士が「すいません」と頭を下げるので、全然悪いと思っていないが(笑)、私も申し訳なさそうなふりをして、頭を下げる。

弁護士が一通り、用意していた申し立てを伝えると、
判事は、私に「離婚を望んでいるのか?」「申立書をちゃんと読んでいるか?」と聞いた。

弁護士には「正直すぎるのはNG」と聞いていたので、
もう、ただ「Yes」とだけ答えた。

すると判事は「orderを出すから、あなたは待つ必要があります」と言う。

え、待つって・・・?どのくらい???

インドで「ちょっと待つ」と言われたら、びっくりするぐらい早い時もあるし、この離婚みたいに信じられないぐらい長く待たされる時だってある。

しかし待ち時間の長さにかかわらず、とにかくorderは出してもらわねばならず、私には「待ちます」と言うしか選択肢がなかった。

弁護士は「ありがとうございます。前の判事にも判決を出す様にお願いしたのですが、出してもらえず。。彼女(私の事)は、既にインドに来て色々大変なので・・・。」とお世辞を述べると、

判事は「じゃあ、私に感謝するのね」とぴしゃり。

弁護士と判事の地位の差が明らかである。判事なんて一定時間に処理できる仕事しかしないくせに、なんとエラそうなんだろうか。

ちなみに、そうやって、裁判所側の職員(恐らくは判事が)休みまくって仕事が溜まってしまったため、最近では土曜日も裁判所を開くことにしたんだそうだ。自分で自分のクビを締めている。

・・・・バカなの??



部屋の外に出ると、弁護士は「orderは早くても1~2時間ぐらいはかかる。スピーカーで呼ばれるから、裁判所の前で待ってて。名前を呼ばれたら電話して」と言って、他の案件の為に立ち去った。

この時、およそ朝の10時半。

1~2時間ぐらいは最低でもかかる、という事であれば、遅くても12時半ぐらいにはなるだろう。近くに幸い空いたベンチがあったので座り、昨日の疲れと、今日の運転の疲れ、今日の裁判所での疲れから、ずっとうとうとして寝ていた。

時々、「XXXX~!!」と呼ばれてハッと起きるが、違う人であった。

1時間経過しても呼ばれないのに心配になったが、しばらく聞いていると、必要があればまた呼ばれることも分かって来たので、聞き逃しても大丈夫だと分かって、さらにがっつり寝てしまっていた。

しかし、1時間、2時間経過し、段々とフロアにいる人が減っていくのに、いっこうに自分の名前が呼ばれる気配はない。このままでは13時半になってしまい、昼休みが来てしまう。

私は弁護士に連絡した。「まだ呼ばれないけど、大丈夫か??」と。
するとしばらくして弁護士が現れ、「午後になりそうだから15時には戻って来て」との事であった。

13時半~15時の昼休みって、長いよ・・・。一日、何時間勤務なのよ。

今までの経験上、結構な確率で午後は判事が出てこないケースが多かった。(気分の問題)



多少不満ではあったが、そう言われては仕方がないので、私は下に行って水のボトルだけ買ってくることにした。持ってきたヨガバーをまだ食べていなかったことに気づいたので、お昼はそれにした。緊張の為か、お腹もほとんど空いていない。

裁判所に簡単な食堂はあるが、自分の心理状態としても(緊張からかお腹が空いていない)、食堂のメニューや状態としても(ハエや蚊がいるし、他の人との距離も近いし、食べたいメニューが無い)、とてもじゃないがゆっくり座って食べる気にならない。どうせ食べるなら、今日やることが終わったらお気に入りのカフェによってゆっくりしたい。

そんなわけで、水のボトルを買って、再び裁判所の建物に戻り、ヨガバーをかじりながら、水を飲み、裁判所が再開するのを待つ。

しかし、14時過ぎからずっと待っているのに、待てども待てども、私の名前は呼ばれない。ついに16時前になってしまった。



弁護士に再度連絡し、私も裁判所の部屋に顔を見せる。すると、書記などの職員はみんな私の顔を覚えているので、「XX YYY ZZZZ!」と言う?

ええ、待って。なんだって???

慌てて弁護士に電話を掛けると、「確認するからそっちに部下を行かせる。少し待つように。」との事であった。

多分だが「あなたの判決は明日ね」と言ったように思えた。(ヒンディー語は少しだけ理解できる)そうだとすると、なんで無駄に16時までここで待っているのだ、私は。判事への申し立ては10時半には終わっていたのに。

しばらく待っても、それらしき人が現れないので、お手洗いに行くことにした。戻って来ると、弁護士本人がおり、裁判所の中に手招きする。中に判事の姿が無いので、恐る恐る中に入ると、判事の向かって右側にいる書記係の女性が「YYYYYY!」と言った。あわせて、いつも次のスケジュールを決めるおじさんも何か言っている。

???なんだって?

さすがにインドに7年近くもいるので、ある程度のヒンディー語は聞きとれるのだが、この時は「今日、結果が出ないんじゃないか?」「明日も裁判所に来なければならないのではないか?」と言う気持ちでいっぱいで、全然何を言っているか分からなかった。

私がぽかんとした顔をしていたのだろう、弁護士が訳してくれた。

「離婚が決定したよ。どうしても彼女が、それだけは君に伝えたいって言うから。」

ああ~、そうなんだ~。

ここまで必死に『離婚』を目指してきていたにも関わらず、あまりに長すぎて、いつの間にか目的と手段が入れ替わってしまっていた様に思える。湧き上がる喜びみたいな気持ちはなく、むしろ拍子抜けした様な、肩の力が抜けてしまったような感じだった。

この書記係の女性は、私が前の弁護士に裏切られた時もよくしてくれた。日本人がインドの裁判所に来ることは珍しかったのだろうと思う。苦しい状況にあっても、手を差し伸べてくれる人はいるもので、そんな世界であることに感謝したい。

その後、弁護士の部屋に行って、今後の説明などを受けたが、それはまた別のnoteで話をしたいと思う。

帰り際に、偶然に書記係の女性に出会い、感謝の意をの述べると、
「Go on your life!!」とエールを送ってくれた。

裁判所を出発するのが、16時半と遅くなってしまったため、帰りもいつもとは違うルート(最短ルート)で帰ったが、それが仇となったのか、何度か道を間違えた。(笑)結局知っているルートで帰ったのと同じぐらい時間がかかってしまったのではないかと思う。

離婚は決まったのだが、何度も書いているように、嬉しいがぼんやりとした状態で、自分でもふわふわしているのが分かる。

とりあえずごく親しい友人たちには近況を伝えると、このnoteでも何度か登場している友人から「おめでとう」とメッセージが来た。

「今はまだ実感ないと思うけど、3Kが決めたことは全部正解だから。
この決断が良い決断だったと思えるこれからの日々を重ねていってください」と言われて、ハッとした。

そっか・・・、私、自分で自分が「正しかった」事を証明する努力を怠ってたかもしれない。この離婚が正しかったかどうかは、これからの自分にかかっているんだから、今から頑張らないといけないんだ。

大事な事を気づかせてくれる友人に感謝である。

ちなみに友人は「まずは、乾杯しないとね!」と、さらに大事な事を気づかせてくれるのだった(笑)

ああ、そうだ。新しいステップを踏み出した事を乾杯してなかったな。

よし、乾杯しよう!!





サポートいただけた場合は、「子供が売られない世界をつくる」を掲げてインドでも活動をしている、かものはしプロジェクトに寄付します。