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一時帰国:北上計画(その1)

娘と元夫の突然の実家訪問により、私も予定より早く出かけることになり、実家の近くの弘前公園を回ってきた。

のんびり歩いて、お腹も空いてきたので、お昼を食べれるところを探すことにした。

元夫と娘が宿泊しているホテルは駅前にあり、お昼を食べるのであれば、そちらに向かって進んだ方がいいので、そちらの出口に向かう。(公園は広いのでいくつも出口がある)

すると、突然、娘が「はっ」と立ち止まり、地面をじっと眺めている。私もつられてその方向を見ると、何やら赤いものが地面をちょこちょこと歩いていた。

真っ赤なザリガニだった。

ここはお堀の近くなので、当然、水に住む生き物もたくさんいる。娘はザリガニが誰かに踏まれるのが嫌なのか、何とか水に戻そうと四苦八苦していた。

ちょうどよい入れ物も道具も無く、「大丈夫だよ。真っ赤で目立つから、みんな気づいてよけてくれるよ」と慰め、再び歩き始めた。

だが、よく見ると、道の両脇には無数のザリガニさんの殻が散らばっていたのだが。。。。多分、鳥さんたちに食べられてしまったザリガニの殻なのだろうが、娘が助けてやりたかったザリガニは無事だろうか。

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公園を出て、駅に続くメインの通りに出る。この辺には通りの両側に飲食店も多くあるので、どこかに座れるだろう。数時間歩いていたので、私もさすがに座ってコーヒーを飲みたかった。

メインの通りにあるデパートに入り、いくつかお店を物色する。

数日一緒に過ごして、もうお馴染みの、「俺は何も食べられないから、好きなところ(もの)選べ」を聞きながら。

(元夫は高血圧の食事療法の為、外で食べられるものはほどんどない)

そんなに毎回言われなくても分かるし、たとえ別れた相手でもものすごい気を遣うのだが、その辺を理解して言っているのか、それとも「構って」アピールなのか。

私は元夫の事を考えて、地下の食品売り場で何か買って食べてはどうかと提案したが、娘が珍しく、「1階のイタリアンがいい」と言い出した。

私も元夫も娘が優先なので、イタリアンレストランに入る。



私はパスタであればつい明太子パスタを選んでしまう。これを考えた人誰なんだろうか。天才じゃないかと思う。

娘はピザを食べたいと言う。大きさによっては一人では食べきれないので、そうなると当然私とシェアすることになる。(元夫は外食で食べられるものはほとんどない。)

「え、本当にピザ?パスタじゃなくて?」と聞くと、

「・・・パパが病気してからずっとピザ食べてない。」と言う。

少しづつ娘が自分の気持ちを伝える様になってきてくれている事が嬉しい。

ピザの大きさを確認して、一人では食べきれない大きさであれば、シェアすることにした。

元夫は相変わらずで、何を提案しても「これは食べられない」「あれも食べられない」と言う。病気の為だから仕方がないのだが、やはり疲れる。元夫にはサラダのいくつかの具材を無しにして、ドレッシングを別添えにしてもらった。



食事が終わると、数日一緒に過ごして自信がついたのか、元夫は徐々に私が家に戻って来るべきである事を延々と説教し始めた。

いつも思うのだが、子供たちを呼び寄せて、私が一人になる状況を作りだしたのに「戻って来い」とはどういう事なのだろうか。

離婚は成立しているし、今回、数日間一緒に過ごしてみて根本的な部分は変わっていないのも分かった。娘が成人するまで連絡を取る必要があるだろうが、距離を保った状態でいたいと思う。

夫の説教が1時間近くになりそうだったので、これ以上聞きたくないと切り上げ、レストランを出た。

元夫はサラダだけでは足りないので、下の食品売り場でおにぎりを買って食べた。その後、ホテルがある駅前に向かって歩く。


ホテルに到着して部屋に入り、全員でひと息つく。(私は宿泊者じゃないので、一休みするだけ)

私は元夫と娘の今後の予定を聞いた。

娘のパスポートがアメリカの大使館から返送される予定であるため、この週末に東京に戻ろうと思っていたと言う。

私は今週は実家で過ごし、その後は、北海道の友人の所に行くつもりだった。友人は日曜日か月曜日だったら時間がある、と言っていたので、その日のどこかでランチでもできればいいかな、と思っていた。

ところが、予想外に元夫が娘を連れて、青森までやってきたため、私は娘と友人の娘さんを会わせてやりたいと思った。

4年前に帰国した時も、この二人(娘たち)は会っているのだが、その後、友人の娘さんはずっと娘に会いたいと言ってくれていた。娘は8月末にはアメリカに行くので、この機会を逃したら次は無い。(無くはないが、次はいつになるか分からない。)

そう思って、「週末に北海道に行きたいんだけど、どう?Nちゃん(友人の娘さん)が娘ちゃんに会いたいんだって。」と聞いてみた。

娘は、え?と言った表情であったが、しばらくして、こくりとうなずいた。

対面じゃないと、娘の意志をくみ取るのは難しい。


私は娘だけ来ればいいと思っていたが(笑)、当然、元夫が来ないワケが無く、3人で北海道に北上する事となった。

友人には、娘と元夫が一緒に来ることを伝え、改めて空いてる日の確認をした。終日空いているのか、半日なのかによってスケジュールも変わって来る。

友人は津軽海峡横断の手段としてフェリーを勧めてくれたが、あいにくの天気であったので、今回は却下。荒れ狂う海をフェリーで行くのはちょっとコワイ。それに、フェリーに乗るために結構(本州も北海道も)しないといけないのも却下した理由である。

天気が良かったら、娘にもフェリーを体験させてやりたかった。

JRはもはや「電車を楽しむための贅沢品」であり、そこまで安価ではない。(むしろ高い)

高速バスがあればぜひ乗りたかったが、本州から北海道行きの高速バスは無いようであった。

そうなると残る選択肢は飛行機のみになる。

運良く、比較的安いチケットがあり、青森~札幌まで一人1万5千円程度であったので、もうその場で予約した。週末も迫っていたし、善は急げだ。

ちなみに、最近はLCCの運行も増えたため、運が良ければ、東京(成田)~札幌が5千円なのに、青森~札幌までは一人1万5千円程度が平均価格だ。需要の有無によってこんなにも価格に影響がある事が分かる。



チケットは抑えたので、次はホテルだ。

友人が「狸小路のドーミーインがいいらしいわよ~」と言っており、私も大きな浴場があるドーミーインに宿泊してみたかったので、検索してみた。

しかし、私の楽天トラベルでは既に予約がいっぱいで取れず、他のホテルを探してみたが、どれもピンとこなかった。

すると元夫が「自分のBooking.comのアカウントを使ってみればいい」と言い出した。

今回、支払いについてはあまり明確にしていなかったが、元夫に頼りすぎると、「あんなにたくさんお金払ってやったのに」と言い出すだろうと警戒していた。(しかし、ほとんどの場面で支払いはさせてもらえていなかった)

まあ、予約を取るだけだったらいいか。

そう思って、お目当てのホテルを探してみると、なんと空きがある!!

別れた夫とホテルに泊まるのはなんとも微妙な気持ちであったが、ここは娘の為と思い、我慢することにした。

大人2名子供1名と言っても、子供も13歳で半分大人だ。ちゃんと3名泊まれるのかをみんなで確認しながら予約したのだが、どうもうまく予約できていなかった様だ。(それはまた当日のnoteに書こうと思う。)

予約を終えると、なんと「空港のお迎えが付いている」との事であった。(元夫がBooking.comのアカウントの上客なので)

札幌の空港は見るところがたくさんあって、子供連れにもおすすめだ。食べたいものもたくさんあるし、娘もゆっくり見たいだろうと思ったので、到着は13時だから、15時ぐらいに来てもらう様にお願いした。

「チケット取ったよ~」と言うと、友人は「はやっ!!」と驚いていたが、およその日程の目途が付いたので、私と友人で会う日の細かいスケジュールを検討することになった。

(続く)



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