見出し画像

一時帰国:母たち、娘たちの再会

今年の8月に一時帰国している間に、高校の時の友人に会いに北海道に行って来た。

4年前の一時帰国の時に、お互いの娘たちも会っているのだが、どうやらお互い仲良くしたいと思っていた様である。今年に入ってメールアドレスを交換してみたりしたのだが、恥ずかしがり屋同士では何も進展せず、結局一通もメールを送らないままになっていた。

娘を連れて行く予定は元々は無かったのだが、青森まで来たので、北海道まで足を延ばすことにしたのだ。



当日は、友人に車で迎えに来てもらった。(運転は友人の旦那様)

毎日チャットで話をしている友人だが、改めて対面で会うのはやっぱりドキドキしてしまう。

コロナの後だし、「わあ~!!」ってハグはNGよね。

日本はハグしないしなあ~。

握手って変だし。(仕事か、笑)

と、自分がすっかり日本の文化になじんでない事を実感してしまう。

迎えに来てくれた友人には、笑顔で「久しぶり、元気??」と再会を喜ぶことにした。



ちらっと見ると助手席には大きなお姉さんが乗っていた。

「誰だっけ?」とかアホな事を考えたが、よく考えたら友人の娘さんしかいない。子供の成長は早く、特に友人の子供たちは毎日会っているわけではないので、さらにあっという間に感じてしまうのは私だけか。

友人と立ち話をしながら、元夫と娘が準備して降りてくるのを待つ。
元夫はいつもいつも支度に時間がかかるし、必ずと言っていいくらい、待ち合わせに遅れる。

私は待ち合わせに間に合うためなら恰好はどうでもいいタイプだが、
夫は待ち合わせ時間に遅れてもちゃんと支度したいタイプである。
前者もどうかと思うが、後者は「もっと早く準備始められないのか」となる。

そうこうしているうちに二人がやって来て、車に乗り込む。

友人は私が離婚したことも知っているのだが、何も知らないふりをしてくれた。なんとありがたい。

友人の旦那様が運転、助手席に娘さん、
後ろに息子君と友人(チャイルドシートがあるので)とうちの娘、
一番後ろに、私と元夫が座る。


画像1


さあ、出発!

その日は運よく晴れで、青い空に濃い緑の木々が美しい景色が車の窓から見えた。

友人が気を使って、みんなに話しかけてくれる。
元夫も私の友人という事で警戒していたと思うが、話しかけられれば返事をしていたし、娘も一言二言返事はしていた。

時々、トイレに行くか?とか、道はどっちだ?など話しながら、最初は富良野に到着。

ラベンダーはちょうど終わってしまったタイミングであったが、他の花はまだまだきれいに咲いていて、本当に絨毯の様であった。

大人数(7名)なので、二人が一緒になったり、4人が一緒になったりしながら、それぞれが花やお店を眺める。

娘は虫好きなので、花よりもそこで飛んでいる蝶に興味がある様だった。友人は「なんか好きな事があるっていいよね。あ、あそこにも飛んでるよ!」と娘を肯定してくれる。

年頃の女の子が虫好きだなんて、と眉をひそめられそうな気が心のどこかでしていたが、個人の(特に子供の)それぞれの事をそのまま受け入れてくれるのはありがたいことだ。

「うちの息子もXXが好きなんだよね!」とか、全員が心地よい状態にしてくれる友人がとても好きだ。

気遣いができるけど、それをこちらの負担に感じさせないところや、人を人種や見た目で判断しないところとかも。

素敵なハートを持っていると思う。そんな友人がいてありがたい。

画像2


美瑛に向かう途中でお腹が空いてきたので、ご飯が食べれるところを探す。

山の中をほとんど一本しかない道を進む。

「あれ~ここにあるはずなんだけどなあ。」

「もう一回戻ってみる?」

などと、明らかに道の両側に何もない山道を数回往復した後、

「あっ!あった、あそこだ!」

いや、絶対に分からないよ、っていう奥まったところにひっそりと一軒家が建っていて、それがお蕎麦屋さんだったのだ。

お腹も空いていたし、みんなでいそいそと入り、メニューを眺める。

しかし、メニューを見て、私ははたと止まってしまった。どうやら冷たい蕎麦しかないらしい。冷たい蕎麦で、とろろや卵などの選択肢があるが、これは元夫は好まないな。。。

「蕎麦なら大丈夫」だけでは、正しく伝わらない事を理解し、伝え方が足りなかった事を激しく後悔した。

しかも、北海道の山の中にポツンとある蕎麦屋さんで、こだわりのある蕎麦を提供しているのが裏目に出て、冷や蕎麦しかメニューにない。。他にサイドメニューを注文してお腹を満たすこともできない。

最悪、蕎麦は食べられるが、足りないだろうし、元夫は喜ばないだろうなあ。。。

色々説明した結果、「卵が付いているのならいい」と言うので、卵付きの蕎麦を注文する。しかし、これは生卵がついている蕎麦で、溶き卵に蕎麦をつけて食べるものであった。

これしか選択できなかったのに、卵も生で食べられない。。。

卵はこちらで引き受けて、蕎麦だけ食べてもらう。

予想はしていたが、食事が終わった後、「これじゃ足りない。冷や蕎麦はそんなに好きじゃない。卵も生じゃ食べられない」=「楽しめなかった」と言われて、なんとも言えない気持ちになった。

元夫の言いたいことも分かるが、食事制限ある彼に合わせて蕎麦屋を探してくれた友人家族にはそれは言えない。友人たちが英語があまり得意じゃないので、この会話を聞き取れなかったことだけがせめてもの幸いだろうか。

画像3



その後、美瑛駅前の道の駅に向かう。

ぐるりとお花やお店を見て周り、それぞれトイレに行って、お土産を物色する。

その中で、娘が小さな枝を削って作られた笛を欲しがった。お土産屋さん価格で千円だった。(高い。。。)私はうちの両親からのお小遣いで買う様に言ったのだが、元夫はひょいとそれを取り上げて支払ってしまった。

「娘の分のお金を出しているのは俺だ。これくらいの金額、大した事無い」

実は北海道に行くことが決まった時に、うちの両親から5千円をお小遣いとして娘に渡している。両親の思いとしては「自分が欲しいものを、お金を使う前によく考えて、お金の計算をする練習の為」だったのだが、

お金を渡した時に、まず、「イラナイ」と断られた。元夫が喜ばない、と思ったのかもしれない。ちょっと悲しかった。

また、今回は「娘の欲しいもの」を買うために使われなかった。

両親の思いは正しく受け取られなかったんだな、と思う。ただ、形式的にお金を受け取られただけであった。両親には言えないが、お金も気持ちもムダになってしまった。

画像4

私は子供たちにもお金を実際に使ってみて、使うと減る事や(当たり前だが、自分で使ってみないと分からないものだったりする)、お金を使う時に「本当にこれが欲しいか?/必要か?」を考える事を経験して欲しいと思っているので、ある程度のお金を使わせたいと考えている。

一方、元夫は、今はお金があるためか、(特に娘には)なんでも買ってやっている様だ。これだと、「本当にこれが欲しいか?/必要か?」を考える場面があまりない上に、元夫がいいか悪いかを判断してしまうので、子供たちの考える機会を奪ってしまっている様な気がしている。

元夫とはお金の事でうまく合意することができなかったな、と思う。

金銭感覚が合わないと(または、話し合いで解決できていないと)、結婚はうまくいかない事を身をもって知った。


お昼はお蕎麦屋さんに行ったのだが、そこでは満足できなかった元夫は、せっかく外出しているのに、わざわざセブンイレブンに行き、自分の為のおにぎりを買って食べていた。

今回は連絡役だった自分が悪かったが、なにかもやもやした気持ちになってしまったのだった。

(つづく)



サポートいただけた場合は、「子供が売られない世界をつくる」を掲げてインドでも活動をしている、かものはしプロジェクトに寄付します。