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用心しすぎ?

OCIの申請については、前回は、追加書類が必要になったことが発覚した所までを書いた。

宣誓供述書などと言う、裁判所に行っている者でなければ聞いたことが無いような書類を要求しておきながら、このこのFRROの職員は「じゃあ、次はいつ来る?明日?」と、ありえないレベルの気軽さで聞いてきた。

あの~、夫はアメリカにいるので、こっちが昼なら、あっちは夜だよ・・・。そんな書類が明日までにできるわけないじゃん。

目途が立ったらアポイントの連絡することを伝え、その時電話は切った。

結婚が(問題なく?)継続している事を示す宣誓供述書は、夫にしか作成できないので、しぶしぶ作成をお願いした。夫は二つ返事で請け負ってくれたが、その時は息子のいるカナダにいたため、アメリカに戻ったら対応する、との事であった。

週開けぐらいに、「宣誓供述書のためのやり取り」なるメールのやり取りをPDFで送ってくれた。書類作成の手続きを開始したのだ、とほっとしたのだが。

2日後ぐらいに、「宣誓供述書のためのやり取り(続き)」なるものが来て、長すぎて全部は読んでいないが、どうもすぐに書類が入手できなそうなことだけは分かった。

今のビザの期限は年末だ。この調子でいったら間に合わないんじゃないだろうか。せめて、「申請完了/OCI発行待ち」という状態で年末を迎えないとまずい。

と思い、この長~い会話のPDFをFRROに送り「間に合わなそうです。年末になってしまったらどうしたらいいのでしょうか」と送った。すると、電話がかかって来たので事情を説明すると、「アメリカにいても近くの法律事務所行ってお願いすればできるんですけどねえ・・・。時間もないし、とりあえず手書きで旦那さんの署名が入っている書類を作って送ってください。」と言われたので、光明が差した気がした。(笑)

次に訪問する日を決めて電話を切った後、夫に必要事項を連絡すると、「明日、明後日ぐらいにはできそう。できたら郵送で送るから」と言われ、喜びながらも、はた、と気づいてしまった。

この書類を郵送で送るってことは住所をせっかく内緒にしたいのに、ばれるってことでは?


なぜ夫に住所を教えたくないのかと言うと、過去の経験が原因だ。

3年ほど前、インドに家族で一緒に暮らしつつも、夫婦間の問題が話し合いでは解決に至らず、かといってこれ以上我慢するのも限界に近い状態にあった。熱く熱した茶碗の様に、(私だけが)ちょっとしたことで爆発しそうな状態だったのだ。結果、とある事が起こり、「もうだめだ。離婚しよう。まずは家を出よう。」と決めたのであったけれど。

外国人で、家とオフィスしか往復した事が無いレベル私に、インドで家出、というのは非常にハードルが高かったが、にゃんこたちを同僚たちに「引っ越し」と言う名目で預かってもらい、家出を決行した。

1種間ほどで、何とか家を決め、仕事も再開したが、夫からは泣いて電話が何度もかかって来た。

「どうしても子供たちに会いたい」と言う。私も子供たちが父親と断絶して欲しいわけではないので、中間地点で会うことを許した。その後、新しく決めた家と前の家が、車で行き来可能な程度の距離であったため、可能な限り子供たちには夫に会う機会を設けていた。

・・・思うと、これがいけなかったんだろうと思う。私はいつも、最後のツメが甘い。

1か月程度経って、夫は「一人だし引っ越しすることにした。よいところを見つけたから、家を見せたい。」と言うので、前の家で待ち合わせた。

車に乗り込み、「夫の」新しい家へと向かう。どうやら方向としては、私たちが引っ越しした家と同じ方向だ。

しかし、大きな幹線道路を抜け、見慣れた大きな交差点も過ぎた頃、私は若干の不安を感じ始めていた。もうこの先は、開発中の地区で、今は私たちが住んでいる家のソサエティの一群しかない。

ものすごい嫌な予感がする。

道の両側は、ほぼ何もなく、開けた土地の向こうに、ぼんやりと私たちの部屋があるソサエティが見える。車は酒屋を左折し、まっすぐに、私たちの住むソサエティのゲートに迷いなく向かう。

・・・まさか。(いや、やっぱり、と言うべきか。)

私と息子は、車の後部座席で顔を見合わせた。私はきっと青ざめていたことだろう。

そう、夫の「新しい家」は、せっかく家出して苦労して見つけた、私たちの住むソサエティと同じだったのだ。(タワーは違うが)

私はがっくり来てしまった。これではどんなに隠そうとも意味がない。こちらの家がばれたも同然だ。たとえ私が頑張ったとしても、娘の口からいづればれるだろう。息子は頑張ってくれるかもしれないが、ばれるのも時間の問題だ。

夫は「知らなかった。エージェントからいいところあるよ、って教えてもらった。」と言うが、何も全く同じソサエティになるはずがないだろう。このエリアにはこのソサエティしかないとは言え、A、B、C・・・の様にソサエティ群なのだ。狙ってここに来たとしか思えない。

子供たちの送り迎えの後をつけられたのか、子供たちの口からうっかり出てしまったのか、真実は分からない。「夫とは物理的に距離をおいて、これからどうするかじっくり考えてから、行動にうつす」という計画は早くも躓いてしまったのだ。

この後、子供たちが夫の家に移ってしまい、私も別居を諦め、一旦夫のもとに戻り、また、再度絶望して、離婚の手続きを開始するのだが、それはまた後の話だ。


・・・・という経験があるため、離婚も決着直前となっている今、絶対に夫には知られたくないのだ。突然家に現れたりしそうで、恐ろしくて仕方がない。

夫には、苦肉の策で、「郵送しても間に合わないと思うから、データでメールしてくれればいいと思う。」と言ったのだが、今朝になって(前の住所に)「書類送っておいたから。」とメッセージが来ていた。

・・・どうしよう。受け取りされなくてばれちゃうかな。隣の人に受け取っってもらえたら事なきを得られるだろうか。

もうなんか胃が痛くて仕方ない。


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