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活動報告を終えて。得意なことから地域での役割を考えてみる

先週末に、三原市地域おこし協力隊の活動報告会を行いました。

三原市ではこれまで、市役所の方+地域の自治組織の方にお越しいただく形で活動報告会を行っていたのですが、今回は新しい取組として、どなたでもご自由に参加いただける形での開催でした。市民の方をはじめ、他自治体の職員さんや地域おこし協力隊の方にもお越しいただき、広く活動を知っていただく良い機会になりました。

三原市地域おこし協力隊 活動報告会の様子(R5.3.11)


これまでnoteでの活動報告が滞ってしまっていましたので、先日の報告会でお話しした私の活動内容や、今後の活動計画についてさらっと報告しつつ、これまでの活動を通じて考えていたことを主にお話しできればと思います。


あらためまして、私の地域おこし協力隊での活動ミッションは、①関係人口増加・移住定住促進と、任期満了後に向けた、②三原での独立・開業の準備の2つです。

12月の着任から約100日が経ちましたが、これまでの私の活動は主に①に関するもので、市の移住プロモーションに参加したり、移住相談会で説明したり、ワーケーションなどの関係人口事業に加わったりといった内容で、主に事業企画系の活動をしてきました。
こうした活動を通じて、三原で活躍されている方たちとの交流を増やしていくことや、地域のよいところは何で、課題は何かといったことを探ることも表向きの目的としており、多くの方との対話などを通じていろいろな経験が得られました。

一方で、表には出していない内向きの目的として、自分は地域で何ができるだろうかという、②に向けた整理をしていました。


移住した当初は、アウトドアのしやすい環境で生活をしながら、関心のある地方創生に関わる仕事をしたいという思いが強く、好きなことづくりに向けたエネルギーを使って仕事をしようという考えで、地域にあるものを見ていました。
しかし、実際に地域に入って活動を始めて、地域のよいところや課題を整理し言語化していく作業の中で、移住者として来た自分が普通にやっている地域を客観視することや、既にある関係性を一から整理していくことなら、他の人よりも好きなジャンルの仕事であり、かつ地域の方よりも上手にできるのかもしれないな、と思うようになりました。

好きなことを仕事にしていくということ自体は理想的なことだとは思いますが、とはいえ、地域の内外には既に自分の好きなことで既に実績を出している人がいたり、その中で競争をするということになると、それがずっと好きな仕事であり続けられるのかといった不安もいずれ出てきます。
こうした意味で、当初思っていた好きなことづくりを目指してエネルギーを消費していくことよりも、地域で相対的に少しだけ得意なことをやっていくこと自体を好きな活動として、これを中心に地域での役割を探していく。その機能を地域に使ってもらうような関係性を目指そう、ということに考え方が変わりました。


そこで現在、得意なことを生かして、自分が地域で何かできそうかなと考えているのが、三原における地域商社の機能です。

地域商社とは、地方創生に関する国の戦略や、デジタル田園都市国家構想の文脈などで出てくる単語で、2018年の日本政策投資銀行の調査資料によると、その定義を、

「地域で地域産品のマーケティングを担う地域発の主体・プロジェクト」

地域商社の成長に向けた戦略調査<概要版>(株式会社日本政策投資銀行)https://www.dbj.jp/topics/region/industry/files/0000030621_file2.pdf

としています。

とはいえ、地域商社という言葉にいまだ明確な定義がないのが現状であり、そもそも商社という概念自体も日本独特のものかつ生活になじみのないものです。
そこで、先日の報告会では、私が目指す地域商社の機能として;

  1. 三原に関するビジネスを扱い、地域アイデンティティ(三原らしさ)を地域で共有する

  2. 商品やサービスの付加価値を地域内にとどまらせる


これらを目的とした事業を行う、地域の良さを発信し、商品の付加価値を地域内で共有する主体である、と説明させていただきました。

イメージとしては、しまなみ・やまなみの景観や、地域で生産されるものなど、三原の魅力あるものを商品化する際、地域内で付加価値を最大化し、外貨を得るまでの、生産、加工、流通、販売まで一貫したマーケティングを行うもので、その主体として地域商社が役割を担えないか、というものです。

報告会スライドより:三原における地域商社のイメージ



移住定住・関係人口の活動を通じて、地域の企業や関係機関、クリエイター、生産者などの地域に存在するプレイヤーとの接点を結ぶことで、地域の魅力を言語化し、プレイヤー同士で地域アイデンティティを共有しつつ、地域のプレイヤーの増加と三原の認知の向上を図る。
そして、市外に分散していた付加価値の輪を、地域内で共有し循環させるための事業づくりを目指す。

これが、自分の得意なことを生かして、地域のためにできることではないかと考えています。


長くなってしまいましたが最後にまとめると、協力隊の活動としては、これまでに引き続いて、①関係人口や移住定住に関する事業に取り組みつつ、これらの活動を通じて、地域商社的な役割を目指し、②これから地域の事業をつくっていく予定です。

その事業のイメージするところは;

  • 空き家等を活用した、地域のプレイヤーが挑戦しやすい場や体制づくり

  • 地域課題を踏まえた、企業ワーケーションの商品開発、モニターテスト

  • (リアルとデジタルを基盤とした)都市人材との継続的な交流と、それによる地域発の事業づくり

といったものです。

商社という形態はいろいろなパートナーとの関係があって成り立つものです。これから、地域で活躍するいろいろな方との対話を通じて、三原らしさが詰まった事業を地域のパートナーと探していきたい。そういった思いを、報告会にて発表させていただきました。

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