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掌編小説にチャレンジです。

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思いつきで気ままに不定期で、書いてまいります。お暇な時にでもお立ち寄りください。
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#年寄りの冷や水

通り雨

通り雨

梅雨明け間近の夕暮れ時、山間の道を車で行くと、しばしば通り雨に遭遇することがある。一転俄かに掻き曇り、辺り一面が闇に閉ざされたかと思うとバケツをひっくり返したかのような大雨に見舞われる。そんな経験誰にも一度や二度はあるだろう。これは私が、忘れもしないある夏の日、偶然に体験した出来事である。

真っ黒な雲に向かって車を進めることを余儀なくされた私は、半分高を括っていた。この時分に降る雨はどうせ、一時

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半端もんの兄ちゃん

半端もんの兄ちゃん

「兄ちゃんあんたねー、いい加減にしときゃーよ。突然仕事辞めてまって、これからどうするつもりー?まだ楽隠居出来る歳でにゃーことぐらい自分が一番よー分かっとるでしょう」

「なにいっとりゃーす、お前に言われんでもそんなことは分かっとる。にーちゃんだって好きでプラプラしとるわけやない、おみゃーにゃーわっからへんだろうけど俺だってつらいもんがあるんだで。今じゃうちン中みんなあきれかえってまって家族崩壊警報

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与太モンの兄貴  茅ヶ崎浩太郎

与太モンの兄貴  茅ヶ崎浩太郎

勘太から聞かされた突然の別れ話を、おみよは黙って受け容れるしかなかった。冬ざれの浅草の街は、年の瀬の人の流れで賑わいを見せていた。

「分かっておくれおみよ、お前に落ち度があっての話じゃねえ事は、お店(たな)のみんなも重々承知の上だ。だがなおみよ、お前の兄貴の吉松と来た日にゃ、始末がわるすぎらー。世間様がきゃつの事をなんてほざいてるか知ってるか?ごくつぶしの鏡だとよ、言い得て妙じゃねえか。お前も不

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バッタもんのゆびわ

バッタもんのゆびわ

あたしはずーっと、この指輪だけは本物だと信じてましたよ。今の今までほんとにね、あんたあたしにお母さんなんて呼んでもらえると思ったら大間違いだよ。人が聞いたら驚くでしょうね。死に水を取ってやることもせず。葬式なん以ての外と,ほったらかしで、不肖の子を絵に描いたような私のことを、みんななんて思うでしょうね。だけどね言わせてもらうけどあたし、人になんと思われようと、一向に構いません。だってあんたがあたし

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成れの果て

成れの果て

今日までの、努力の結果を結実させる瞬間が、間もなく訪れる。もう俺たちにやり残したことなど何もない。今まで費やした時間と金と、地位と名誉を投げ捨てることに対して、苦言を呈するものがあるなら、迷わずきっぱりと言い返してやるつもりだ。

「お前らに俺の、何が分かるんだ」

 何より大切な音楽の道を、志半ばで犠牲にせざるを得なかった苦しみ。父に翻弄され、やりたくもない法曹界で、今日の地位を気づき上げたのは

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