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かまみく泣き

とうとう、かまど・みくのしんの"本を読んだことがない32歳がはじめて本を読む"を読了した!!!

実はこの本を購入したのは10日ほど前で、それから毎日読もう読もうと持ち歩いてはいたものの、最近毎日忙しく過ごしている中で空き時間に本を開くまでのハードルが何故かいつもよりも少し高く感じて、毎日カバンに入れて持ち歩いているのに一文字も読めないまま今日になっていた。


今日も久々の1日休みで、昼過ぎまであまり興味もないYouTubeとかをみながら適当に時間を浪費してしまっていた。読書は、そういう1日の罪悪感を全て無かったことにしてくれるくらい私にとっては充実している体験なので、ここらで少し読書の時間を挟むことで少しでも今日という日を浄化しようと思い、かまみくの本を初めて開いた。


結果としては、本当に良くて驚いてしまった。この本は確実に、これからの人生を生きていく私にとって重要な本の1冊だ、と読みながら実感した。
これまでも読んでいてすごくいいなと思う本はたくさんあったし、そう思おうとしながら読書する時間が好きだったが今回は少し違くて、本の中から大切なことを見つけようという感覚よりは、人生において大切にしていきたいと思える宝物のような言葉や人生の楽しみ方などが本の中から絶えず飛び出し続けてきたという印象だった。

本当だったら本を一つ一つ振り返りながら好きだった箇所を抜粋しながら感想を都度都度話したり、場面ごとの感想をゆっくり話したりしたいんだけど、そんなことはできない。この本を読んだ直後の今の私がこの本1冊に対して抱いている気持ちは、時間が経つと色褪せてしまうすごく新鮮なものな気がしている。ここを逃すと、私はもうこの本に対して今の私よりも大切な言葉を拾い集めて文章にできる自信がない。


読書というコトと本というモノに対して、最近の私は人一倍敏感だった。
昔は本を読むことが好きだったのに、中学校、高校と年齢を重ねるごとに大好きだった図書館は、何でもない木の棚と机だけの場所に変わってしまっていて、本は私にとってただ小さい文字がぎっしりと詰まった賢い人のための娯楽へと印象を変えてしまった。その事実がどうしようもなく悲しくて、読書が好きだった頃の自分が恋しくて、小学校の図書館にあった大好きだった本たちを古本屋さんで見つけては購入して机に並べることで、安心していた。その本も結局、今日まで一冊も読まれることがないまま私の前に収まっている。


本を読んでいた、本から学んでいた、本の中の世界を旅していた、本に怒られた、本と泣いた、本が嫌いになった、かっこよく本を読もうとした、本に驚かされた。


私のこれまでの本との体験は全て確実に今の私を作ってくれているのに、読みたい本が多すぎて全部読めずに死ぬことが嫌すぎて泣きそうになったこともあったのに、親が本を読み聞かせしてくれた夜があったのに。


私にとって本は心から大切な存在であったはずだったのに、私は長い時間、本と向き合うことをやめていた。それに気付かされた。そんな中、今回この本を読んだ。


私はきっと明日から、昔のように毎日本を読むだろう。素敵な言葉に出会うために、頑張れるだろう。無くしていた心の柱の一つを、また私の心の奥深くまで、力強く突き刺してくれた。


かまみく2人の後書を読みながら、私は泣いていた。本で。
そんなことは、私が本を読むのが大好きだった時にも一度も無かったことだった。
みくのしんさんが本を読む時、本の中に自分を見ながら読み進めていくと言っていた。それを意識しながら一冊の本を読み切った結果、今の私が最も私を見たのは、"本棚"のエミさんだった。辛くて、あんまり考えたく無かったけど、この本一冊を通してみくのしんさんの読書に励まされながらもどこか、自分の中にみくのしんさんがいないことを実感してポツンとなる時間があった。時々文章の中で、俺はこんなふうに読んだことはない、俺の読書はなんだったんだと話すかまどさんの言葉が、私だったようにも思い、かまどさんの名前を見るたびに安心したような変な気持ちになりながら読んでいたところもあった。


でもやっぱり、私はみくのしんさんが大好きで、かまどさんが大好きだと思った。こんなにも本を通して誰かを好きになるという経験も、初めてのことだった。
すごくパーソナルな心の変化を丁寧に文章で追いながら、お互いに大切にしあって、一冊の本を2人が読み終わっている頃には私も、1つの物語からは得たこともないような情報量と共にたくさんの大切にしたいものを見つけることができた。これは絶対に忘れたくないから、明日朝起きてもう一度読みながら大好きなところに素敵に付箋を貼っていこうと思っている。本が付箋でパンパンになると思う!


これからの私の人生において、読書というものはこれまでよりもずっと大きく関わってくるんだろうなと思う。私の生活にもう一度本を持ち込んでくれた2人、ありがとう。一生大切にします。
この本は、私の内側の大切なところをたった今形作ってくれた。この先何度も読み返すことになる本だと直感しています。

2人のことが大好きです。私には私の読書があるけど、私はこれからきっと本を読むたびに心の中からかまどさんとみくのしんさんの声を聞くことになるんだろうなと思う。たった2人の人間に占領されるにしては、読書というカテゴリはデカすぎるんじゃないかとも思うけど、この本を読んだ今、私の読書にはずっと2人がいてほしいと心の底から思います。

素敵な本の旅をありがとう!


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