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ゼロ年代インターネットバーに行ってみたい話

※この文章は、私と相互フォロワーであるしょぼ黒(盆踊りDJ鈴木)さん
「マニアフェスタvol.7 ニコニコ超会議2023」で頒布した同人誌
『スキマネタマニア』に私が寄稿した文をnote用にリライトしたものです。


ごあいさつ

 こんにちは。はじめましての方は、はじめまして。
 りいず、と申します。
 ご存じない方のために自己紹介しますと、
東京の豊島区は地下鉄有楽町線・副都心線要町駅を最寄り駅とするイベントバーエデン本店にて、2018~2019 年にかけて 4 回ほど「ゼロ年代インターネットバー」のバーテンを行っておりました。
 「ゼロ年代インターネットバー」とは文字通り、ゼロ年代のインターネットについて、あの頃の思い出を持ち寄って語ろうぜという趣旨のバーです。

 私が 2 ちゃんねる(注1)やおもしろ Flash(注2)に思い出が多かった(注3)ため、当日来てくださった方もそれぞれ、あの頃 2 ちゃんねるで常駐していた板や、好きなおもしろ Flash 作品について語る方が多かったように思います。
 とくに 3 回目、「平成最後のゼロ年代インターネットバー」と銘打った回は、NHK の改元特別番組内の公開生放送「懐かしの平成ガジェット鑑定ショー」に私が出場したさいに、イベント時の様子を取り上げていただきました(注4)。

 まさか私の、ひたすらスレ(注5)住民がコピペ改変するさまを日がな ROM(注6)ったり、「妊娠(注7)」と「GK(注8)」の激しいネットバトルからなるべく目を背けていたような、「あの頃」のインターネットに入り浸っていたあまり健康的でない過去が、こんな形で結実するとは思っていませんでした。
 この文章を書いている 2023 年の今でも信じられない気持ちです。
 何をするにも腰が重い私をこんなところまで連れてきてくれた、
企画立ち上げ時背中を押してくださった方、
ゼロ年代インターネットバーに来てくださった方、
来られないけど興味深く見守ってくださった方、
興味ないけどフォローを外さなかった方、その他りいずを支えてくださった方々に改めてお礼申し上げます。
 ありがとうございます。


「ゼロ年代インターネットバーに行ってみたい」とは

 さて、そんな私がなぜ「ゼロ年代インターネットバーに行ってみたい」などと、一見矛盾するようなことをタイトルに掲げたのでしょうか?
 実は、4 回やってみて思ったことが 1 つあります。

 「ネットは広大だわ」

 そもそも、ゼロ年代インターネットという存在が広大、多岐すぎて私だけでは全然全体像を捉えられるものではないな、と。
 それこそ、「西日本について語る(by 配偶者)」並みに大風呂敷を広げているという、当たり前すぎる真実が目の前にぶわっと広がってしまったんですね。
 とくに当時のライトノベルやエロゲーに関しては、それらを 2 ちゃんねる住民が翻訳した形でしかキャッチアップできていないわけで、1 次情報にほとんど触れたことがないんです。
 前略プロフ(注9)や魔法の i らんど(注10)等の、ガラケーインターネット文化に関しても、私は当時表層にしかアクセスできていません(注11)。
私が、ゼロ年代インターネットの専門家になりたいと思うのであれば、それらの文化も当然学び発信できるようにすべきだと思います。
 ですが、正直「あの頃」のインターネット文化(の、私が知らない一部分)に「あの頃」ハマっていた人の話を、私は聞いてみたいです。
 リアルタイムで文化を吸収していた方なら、当時を知る人しか知ることが難しいようなことも知っているだろうし、なにより語り口に熱が出て、私がやるより面白いものになるんじゃないかなあ、となかば信じているからです。
 (要は今更長編を追っかけたりするのがめんどくさいのでは?)


 というわけで、私以外の方が行うゼロ年代インターネットバーに!!

 ぜひ!!!

 行ってみたいです!!!!


 いや、ゼロ年代インターネットバーの企画を自分でしていたとき思ったんですよ。
 「私が発信する"ゼロ年代インターネット"は、私が発信する"ゼロ年代インターネット"でしかないな」、って。
 私の企画と同じように 2 ちゃんねるやおもしろ Flash について語るにしたって、きっと当時常駐していた板や、追っかけていたシリーズによって、語り口は無限に分かれると思います(たとえば、恥ずかしながら私は小小作品(注12)にまったく触れたことがありませんし、オカ板(注13)もまとめはちょっと読みましたが行ったことがありません)。
 もし自分流のゼロ年代インターネットバーやりたい! やるぞ! という奇特(誤用)で志のある方がいらっしゃったら、ぜひ教えてくださいね。
 なんとか都合合わせて行けないか画策します。
 万一 Twitter がなくなっても Mastodon、Misskey 等、いたるところに私は「りいず @3dRikka」として点在しておりますので!(注14)



《独断と偏見だらけの解説、振り返り》

(注1)今をときめく論破王・西村博之さんがかつて管理人を務めていた匿名巨大掲示板。現・5 ちゃんねる。
(注2)かつて Adobe Flash Player(2020 年サポート終了)で再生できた面白い動画のこと。「おもしろフラッシュ倉庫」が有名。
(注3) 2 ちゃんねるで常駐していた板はガイドライン板(ガ板)とハード・業界板(ゲハ板)です。対戦よろしくお願いします。
(注4)ちなみにガジェットショーは NHK 大阪で行いました。番組本放送が 4/30、リハーサルが4/29、しかし平成最後のゼロ年代インターネットバーを 4/28 の 23 時までやっていたので、平成最後の私はとにかくあわただしく移動していました。何時間寝られたのか覚えていません。行きの新幹線に遅れず乗ることができたのは今でも不思議です。
(注5)「スレッド」の略。
(注6)Read Only Member の略。
(注7)主にゲハ板で使われていた、任天堂信者の蔑称。
(注8)主にゲハ板で使われていた、SCE(ソニー・コンピュータエンタテインメント)信者の蔑称。GK とは Gatekeeper の略で、ソニー内部のホスト名(とされる単語)に由来する。
(注9)「前略プロフィール」の略。当時の 10 代を中心に流行っていた印象。文字だけで当該サービスのふいんきを伝えるのは難しいので、検索して画像で見てみてください。
(注10)かつてガラケー向けの無料ホームページ作成サービスとして立ち上がったサービス。多くのジャンルのファンサイトが本サービスで作成されたほか、『恋空』など有名ケータイ小説の発信地としても知られ、当時のケータイ小説ブームを牽引した。現在ホームページ作成サービスは終了し、小説投稿サイトに特化している。
(注11)ガラケーインターネット文化を表層しか眺めていない私からすると、好きなジャンルや自身の病みを発信して同志と繋がることができる世界が広がっている印象がありました。当時の私は、自分の好きな物や率直な気持ちを外部にさらけ出すことそのものが怖くて仕方がなかったんです。
(注12)「しゃおしゃおさくひん」と読む。中国で作成された Flash 作品で、棒人間のキャラクターが軽快に、時にスプラッターなアクションをキメる作品群のこと。
(注13) オカルト板のこと。「死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?(洒落怖)」スレなど、今でも多くの人に影響を与え熱く支持されているイメージがあります。
(注14) ゼロ年代とはもちろん違いますが、今のインターネットも広大で奥深いです。とくにMastodon 等に代表される Fediverse はサーバごとに住民や雰囲気も全然違っていて、自分に合った場所を探して流浪するのも面白いです。

とくに続きはないんですがなんかお気持ちを送りたい方向け↓

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