190.合図

https://note.com/3ayako/n/n438b5ed22d96

こんにちは
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190.合図

毎日色々な神社に通っていた頃に
比較的に住まいから近くて頻繁に通った神社があった
少しでも時間が出来ると通うようにしていて
長居出来る感じではなかったものの
馴染み深い所になりつつあったその頃

通い出して一年を迎え
普段から参拝者の少ない境内で
手水舎の所にご年配の女性が居るのに出くわした
人が居るのも珍しかったし
何やら困っている様子もあったので声を掛けたら
とても嬉しそうに手水舎について聞かれた

祖母程の年齢の女性は
優しい話口調で穏やかな笑顔と上品な物腰で
世間話をものの数分していた

すると女性の様子が徐々に様変わりしてきた

突然に住まいは何処?から始まり
詳しい住所を教えてほしい
電話をしたいから電話番号を教えてくれ
家族構成は?

などと矢継ぎ早に私の個人情報を聞き出そうとした
その話を始めた彼女は
出会った数分前とは別人のように
顔は必死の形相で鬼氣迫る氣迫で
何かに取り憑かれたとも言える程に様変わりしていた

明らかな身の危険を感じて
なんとかその女性との話を切り上げ
立ち去る私の後ろ姿に何度も
「必ずまた会いましょう、来て下さいね」と
私の姿が見えなくなる位置に来るまで
声は追いかけてきていた

あの時はあの女性に会うのが危険だと
その後にあの神社への参拝はしなかったが
実は神社の方が来てもらっては困るからと
神様からの合図だったのではないかと
数年経った今更ながらに思い至った

190.合図