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小説『冷凍庫にアイスが増えていく』

小説「冷凍庫にアイスが増えていく」
三月のパンタシア「ソーダアイス」

 今日も、冷凍庫にアイスが増えていく。
 夏の終わりの日が落ちる、夕方。帰宅すると、私は真っ先にキッチンへ向かった。
 部屋は蒸し上がり、むわっとした空気が肌を撫でつける。けれど冷房を入れるより先に、私は冷凍庫の扉を開けた。
 手に提げたコンビニのビニール袋から、それを取り出す。
 ちゃんと形状を保っていた。
 溶けて崩れていないことにほっとしながら、水色のパッケージをしたアイスを冷凍庫にしまう。
 同じソーダアイスがしきつめられた冷凍庫。
 またひとつ、私はそれを追加する。

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