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小説『真夜中の水底』

三月のパンタシア

小説「真夜中の水底」
三月のパンタシア「ミッドナイトブルー」原案小説

真夜中の部屋の隅、ベッドの上のひっそりとした静寂。
 私は眠る時、全て灯りを消すから部屋は真っ暗だ。
 しばらく真っ暗闇に埋もれていたけど、もう何度もまぶたを閉じては開けてを繰り返しているから、目はすっかり慣れて天井の白もはっきり見える。
 眠れない。
 寝返りを打ち、ベッド横に置かれているボストンバッグをぼうっと見下ろした。
 明日からサークルの新歓合宿だ。去年と同様、集合時間も朝早いのだからさっさと眠りにつきたいのに。
 体はしっかりベッドに沈み込み、意識も淡くなりつつあるのに、眠れない。
 もう一度、目を閉じてみる。
 まぶたの中に薄い暗闇が広がっていく。
 やがて深い海の底で静かに息をするように、少しうつらうつらとしてくる。

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