
小説『低気圧のせいだ』
小説「低気圧のせいだ」
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君の魅力。
黒目がちな大きい瞳。
意志の強そうな凛とした眉。
ペンで一筆書きしたみたいにすっと通った鼻筋。
その端正なパーツをくしゃっとさせた笑い顔は、とても最高。
そのうえ、気さくで親しみやすい性格まで持ち合わせているから、大学のクラスにおいても、サークル内でも、君の周囲はあっという間に人であふれた。
君は持ち前の社交性で、男女問わず等しく接し、等しく微笑みを向ける。
その微笑みはいつもきらきらと輝き、完璧だ。
そうやって完璧な美しさを放つほど、君は、すごくすごく遠い。
みんな、その輝きに一度は頑張って手を伸ばそうとする。だけど、やっぱり到底触れられないことに気づいて、みんな君を”届かない存在”として受け入れていく。
私だって、分かっている。
どんなに必死に手を伸ばして追いかけ続けても、全然遠くて、きっとどこかで転んで痛い想いをするだけだって。
分かっているのに、私はいまだに君への恋心を手放せずにいる。
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