最も簡単で最も難しいこと

「俳優とは生き様であり、日々を極めなければならない」という言葉を去年演劇をしていた時、ある尊敬する方からいただいたことがあります。俳優の普段の過ごし方は、たとえそれが無意識でも、舞台上に振る舞いや癖に形を変えて表れてしまうものです。だから、常に誠実に生きていたいものです。

もし、どんな場でもいつも通りの力量を発揮できたとしたら、どんなに幸せでしょうか。

私が今年受ける予定の採用試験の対策講座で、「この試験は、何も特別なことをやる訳じゃない。相手も普段のあなたを見たいと思っているし、あなたもいつも通りのことをやればいい。動揺してしまうことが一番良くない。あなただけのやり方やルールを決めて、揺らがない軸を作りなさい。」という旨の話を述べている先生がいました。
内容としてはすごく当たり前のことを述べているし、その先生も「この話が響いている人は教室の3分の1もいないだろうけどね…」と皮肉を込めて話していましたが、前提として、演劇をやっていたり、上記のような言葉をいただいたことが余計に、この先生の話の私への響き方を増幅させたような気がします。

今は個人的に大事な時期です。焦りや不安に日々襲われることばかりだし、やらなければいけないことはまだまだ沢山あります。
でも、役者でも受験でも共通して言えることがあって、それはやっぱり、長い時間軸で見たらちっぽけな一日一日の時間をどのように過ごすかということに尽きるような気がします。ちっぽけだけど、それが蓄積された大きさを想像すると、たった一日でもないがしろにするにはあまりにも惜しいです。でも、自分の言葉に見合っただけの質の高い日々を送れているかと考えると、そうではない日がほとんどだと思います。

大舞台でもいつも通りを発揮できるように、地道に愚直に、出来ることを増やしていきたいです。

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