大河ドラマ光る君へ感想(第28~29回) ~定子様崩御と枕草子流布~
どうも、古の平安中期オタク(中関白家推し)です。
油断してたら長保2年の冬が一瞬で来ました。悲しい。
↓前回
※以下、史実に言及します。若干ネタバレになっている気がするので、純粋にドラマとして楽しみたい方は読まないほうがいいかもしれません。
※ただのオタクの感想なので解釈違い等ご容赦ください。
一瞬で過ぎ去る長保2年のこと
一帝二后(長保2年2月25日)
行成が一条天皇を説得する台詞はほぼ原作(?)通りでしたね。
このドラマの行成は道長しか見ていなくて、個人的にはあまり好きではないのですが、、、道長→行成の「よくぞ帝のお気持ちを動かしてくれた」のところはBoysLoveかな?と思ったよ。
時代考証の倉本先生の権記がビギナーズクラシックで出ていて、解説も豊富で読みやすいです。
権記を読んでると中関白家(定子様)サイドへの配慮も感じられるんだけどな・・・どうしても解釈違い感が拭えない・・・。
三条の宮におはしますころ(長保2年5月5日)
枕草子の中で年時が明確な最後の記事…。青ざしも含めて忠実に、美しく映像化されてました。
第三子妊娠中でとてもお具合が悪そうな定子様と、精いっぱい気遣い寄り添う清少納言のやり取り。「そなただけだ、私の想いを知ってくれているのは」という台詞には、定子様と清少納言の関係性の全部が詰まっていて、この後の展開を考えると胸がいっぱいになる…。
そして、ふたりが「いつもいつも」と笑い合っていたのは、「しほの満つ いつもの浦の いつもいつも 君をばふかく 思ふはやわが(21段)」のやり取りがあったから、という解釈を見てなるほどなと思いました。
定子様の最期(長保2年12月16日)
一瞬で半年が経過して、第三子出産、そして崩御の時が訪れました・・・・・。
出産の後に亡くなっているので(一条天皇も会えないですし)シーンとしては地味でしたが、辞世の句のおかげで、私のことを絶対に忘れないで、という定子様の最期の想いは残りました。
この辞世の句はうた恋い。の和歌解説本にもあります(本当は三首あるんですけどね・・!)。一条天皇への、遺した子どもたちをお願いしますという想いも込めているのでは、という解釈でした。
これはこの後のドラマ展開にも繋がっていくのでしょう(唯一の皇子、敦康親王がいますし)
役者さんの解釈も最高
定子様が、中関白家を一人で背負っていたんですよね。
28回の最後の逢瀬でも一条天皇と定子様の温度差を感じました。立場上やむを得なかったし、それが切ない・・。
(アンサーとして一条天皇辞世の句(権記解釈)があると思うのですが、このドラマでそこまでやってくれるのでしょうか・・・・)
私も、自分が死ぬ時に走馬灯になるようなキラキラした思い出を持つことが人間の生きる意味だと思っています。その意味では、大好きな定子様と喜びや悲しみを共有できた清少納言は幸せだったのだと思います。
中関白家サイドにとっては辛い脚本だったと思いますが、その中でも役者の皆様は最大限にキャラクターを表現されていて、とても良かったです。
覚悟はしていたけど、やっぱり定子様退場は悲しい・・・・。
枕草子の流布
清少納言(枕草子)VS紫式部(源氏物語)
定子様亡き後、喪に服しながら枕草子の執筆を続ける清少納言。(ドラマ展開上の流れで)まひろに会いに行って枕草子を見せます。
定子様の華やかな姿だけを書くという覚悟の清少納言と、人の影も書くことに魅力があると言った(後の)紫式部、枕草子と源氏物語の対比すぎてアツいのでは???史実上では面識がなかったとされている清少納言と紫式部、ここまではちょっと分かり合える友人みもありましたが、清少納言が左大臣批判をしたこともあり、今後は決裂する感じなのでしょうか。
実際、定子サロン(と清少納言&枕草子)をライバル視する彰子サロン、の構図はあったと思うので、ドラマ的にも近付いているのは興味深い。
そしてまひろは夫を亡くした後、色々な人の影を描くというモチベーションで源氏物語の執筆を始めました。
ここからどうやって紫式部になるのかはとても楽しみです。
伊周の呪詛と復帰と枕草子流布
定子様は皇子(敦康親王)を残しているので、一条天皇と彰子の間に皇子が生まれるまで中関白家はまだ首の皮一枚繋がっている状態なのですが、トップが伊周なのでもう厳しい戦いです。松君(道雅)に厳しく当たるし、道長を呪詛するし、枕草子を献上する時の顔もやばい(中関白家あるあるの酷い描かれ方ではあるのですが)
この伊周いいところが描かれなさすぎて可哀想。。。
詮子の病気のお陰で内裏に復帰した伊周、枕草子を武器にこれからどう振舞うのでしょうか。結末見えてる気もするけど・・・・。
定子様崩御で続き見る気を無くすかと思いきや、次回から泉里香の和泉式部も出るようですし、なんだかんだまだまだ楽しめそうです。
それではまた。
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