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クライミング上達マガジン

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クライミングの上達方法や練習方法について発信していきます。
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#ロッククライミング

永久保存版!クリップの方法と注意点(無料記事)

クリップが必要なシーン最初に体験したクライミングが「トップロープクライミング」という方は多いと思います。特にクライミングジムでの体験だとトップロープクライミングは最もポピュラーな方法です。そんな最初の一歩から次のステップに進むとき必要になるのが、ロープを自分でカラビナにかけながら登る「リードクライミング」という方法です。 トップロープでは自分より上にロープがかかっていたのに対し、リードクライミングは自分より下にロープがあります。簡単に言えば「トップロープでは滑落はしないが

初心者必見「外岩オブザベーション」の基本

「外のオブザベーションはどうやったら良いの?」プレイベートレッスンや、クライミングセンターでお客さんからいただく質問の1つです。この質問の解決には、やはり実際に自然の中でクライミングするのが1番の解決方法ですが、今回はプライベートレッスンを受けられない方々のために簡単に紹介していきます。 クライミングジムであれば、ルート全体が見渡せるし、何より使うホールドが色付きのテープでマークされているのでそれほど難しくはありません。しかし自然のクライミングとなると話は別です。ルートのラ

海外に行くなら知っておきたい「テンション」と「テイク」の違い

落ちそうな時、登り切った時に言うテンション!コールは日本だけって思っていませんか?実は、日本だけじゃないんですね。 一昔前までは日本だけだったようです。しかし最近では海外のクライマーも時々使っているのを目にします。理由にはいくつかがあります。今回はそのうちの1つを紹介しましょう。 マルチピッチクライミングで、1ピッチのクライミングが終わりビレイステーションでアンカーを作り終えた際「safe」と言うことがあります。日本だと「セルフ取りました」に該当します。 そして、この「

ボルダリングでは成果が出るのにリードでは成果が出ない現象とは?

運動において専門性を向上させるということは、別の視点から言えば、それ以外の運動は苦手になっていくということです。 あるスポーツ選手のオフトレとしてクライミングの指導をした時の話です。Aさんは常にどんな状況でも同じフォームを維持するために筋トレを重視していました。柔軟性も筋肉もバランスよく身についているけれどクライミングの簡単な動作は不得意です。理由は単純で、毎日の筋トレが習慣となって「高負荷にはこの動きで対応せよ」というシグナルが強く出過ぎるあまり、クライミングの簡単な動作

今さら聞けない登る前の安全確認2つの法則

登る前の安全確認とは?ロープを使った全てのクライミングで登る直前に必ずやることはお互いの安全確認です。確認の方法はいくつかありますが目的は一つ、事故を起こさないためです。そして事故に結びつくリスクは大まかに2つに分かれます。主観的危険と客観的危険です。主観的とは判断ミスや人的ミスで、客観的とは落石や天候など自分では制御できないものを指します。登る前に行う安全確認は主観的危険を回避する方法となります。 BARKの法則安全確認の方法はバークの法則を使います。バークとはBARKの

クライミング上達マガジンの紹介(編集部)

クライミングにまつわる皆さんのお悩みをケース別にピックアップ。編集部がおすすめの記事をご紹介します。 クライミング上達マガジンのハウツー記事は、まもなく40作。皆さんいつも本当にありがとうございます! 編集部では今回、良くあるケースを5つピックアップして見ていきたいと思いますが、自分と似ているケースや気になる部分を参考にチェックしてみてください。自分に合った技術を、自分のペースで伸ばしていく、その為のヒントを一緒に見つけていきましょう。 noteクライミング上達マガジン

初心者必見!上達するために知っておきたい1つの意識

はじめに 「上手くなるにはどうすれば?」よく頂く質問の1つです。 私もクライミングを始めてすぐの頃は同じように思っていました。しかし「上手くなろう」と思いながら何年もクライミングをしていると「上手くなるためにはどうすれば?」という思考は、精神的な負担が大きいことが分かってきました。 どういうことかと言うと「上手くなる」という目標にはゴールが無いのです。上手くなるとは具体的にどのような状態を指すのか?具体性はありません。漠然と「上手い人」「上手い人の動き」などのイメージを

絶対失敗できない!ロワーダウンと懸垂下降の結び換え方法

はじめに今回はスポーツクライミングエリアにおける終了点の使い方を解説していきます。終了点はクライミング終了後、下降のために重要なポイントです。 クライミングルートというのは、自然の岩壁をクライミングのルートとして見出した最初のクライマーがボルトを埋め込んだり、カムやナッツを使って1本のルートとして完成させることから始まります。その際に、どのようなタイプのボルトを使うのかは初登者の判断に委ねられます。強度とコストの両面から考えると、グージョンボルトと言われる拡張型のボルト

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終了点の残置カラビナでトップロープクライミングをしてはいけない理由

はじめにクライミングのルールには大まかに2種類があります。ひとつ目は、他者に配慮するためのルールです。ふたつ目は、安全を確保するために必要なルールです。 ルールには特性があり、誰が、何に向けて行う行為なのか、その境界線を分けて考える必要があります。今回は、終了点の残置カラビナをどう使うのか?にテーマを絞って進めていきます。 ひとつ目のルール多くの方が知っているように、残置のカラビナはロワーダウンの時に使うものです。残置カラビナは、クライミング終了後すぐにロワーダウンに移

クラッククライミングで押さえておきたい3つのこと

はじめに今回はクラックについて書きます。フリークライミングやクライミングジムでのクライミングに比べて、クラッククライミングを始めるにはハードルが高いと感じる人も多いようです。 ハードルが高いと感じる大きな理由としては、カムと呼ばれるプロテクションのセットとクライミング技術の習得が難しいといったイメージが先行しがちというとことが挙げられます。確かに、ボルダリングなどに比べるとプレイヤーの数が圧倒的に少なく、そういった背景に比例して技術を簡単に教えてもらえない、知り合いにクラッ

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恐怖とクライミング

恐怖とクライミングの関係今回はクライミングと恐怖の関係について考え、また、これから恐怖とどう向き合っていくのか?私の経験も含めた観点から話を進めていこうと思います。 著書『Death「死」とは何か』の中でシェリーケーガン教授は言います。理にかなった感情としての恐怖は何か?この本のテーマは死を哲学的に考察することですが、その中で恐怖と死との関係性について話す場面があります。 「クライミング中に滑落してしまうのでは?」という考えを抱いた人は少なくないはずです。逆にそういった疑

ハンドクラック攻略

クラックとは クラックは岩に走った亀裂、隙間のことです。クラッククライミングというのはこういった形状の岩を登ることを指します。 現在はクライミングジムの普及によってフェースを登るクライマーの方が人口的に多くなりましたが、クライミングジムが普及していなかった時代にはクラッククライイングが主流な時代もありました。 クラッククライミングとフェースクライミングには大きな違いが3つあります。 1つ目はボルトが設置されていないこと。このためクライマーは自分でクラックの中に安全のため

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「足が滑ってしまう」理由はこれ!

はじめに自然の岩場で「足が滑ってしまう」という悩みを抱えている人も多いと思います。人工壁で足を使って登っていたつもりだったのに、自然の岩を登ったらサッパリだった。という経験者の方も居ると思います。 今回はそういった方々に向けた処方箋的な記事を書いてみました。 テーマを、1クライミングシューズ、2足の使い方、3手の使い方、4体勢、の4つのフェーズから滑ってしまう原因を考えてみました。足が滑ってしまう理由は一つではありません。様々な要因が重なって「足が滑る」という一つの現象と

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クライミングシューズは痛みを我慢して履くもの!は都市伝説なのか?

痛いクライミイングシューズいきなり結論になってしまいますが、私は痛みを我慢しなければ履けないクライミングシューズは使いません。 ある程度の圧迫感は必要ですが、痛いほど強く圧迫するようなものは履きません。特に小指側が強く圧迫されるものは自分の足に合っていないことが多いので、そういったタイプのクライミングシューズは選ばないようにしています。 私は日本人特有の幅広の足なので、見た感じが細い作りのクライミングシューズはフィットしません。 講習会などで、新しいクライミングシューズ