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深夜のアイスクリーム

こんばんは。今日もお疲れさまでした。

その人は夜にやって来ました。子供が寝た頃に、車で近くの駐車場に。たった30分の逢瀬の為、往復30分以上かけてやってくるのです。

いつもは完全に寝静まるのに、その日の子どもはグズグズしていました。寝たと思えば、起き上がり、寝たと思えば、起き上がりを繰り返していました。私は彼に今日は辞めようとお願いしましたが、彼は5分でいいというので、子どもが寝るのをひたすら願っていました。

彼が到着したと連絡して来ても、子どもは深い眠りにつくことができませんでした。10分、20分と時間は過ぎていきます。30分になりかけた頃に、子どもは眠りました。私は、少しの化粧をして、玄関を開けました。

「どこにいくの?」

子どもが起きて来ました。

「5分で戻るから、家の中で待ってて。絶対に外に出ないでね。」

私は子どもにそれだけを告げて、玄関に鍵をかけました。

彼は駐車場で、笑顔を見せました。私は、子どもが起きて来たことを告げ、すぐに戻ることを伝えました。彼は承知してくれました。ただ、車の中で、下着を身につけていないワンピースの中を彼に見せました。彼はハグとキスをくれ、それで満足してくれたようでした。

彼は車を降りる時、沢山のアイスクリームをくれました。

「子どもにあげて。留守番のご褒美」

私は、お礼を行って、また家に走って帰りました。コートは着ているけど、下着もストッキングも身につけていない体に風が当たると変な感じがしました。彼は、5分の逢瀬で帰っていきました。

家に戻ると、布団に包まれて子どもが待っていました。アイスクリームを差し出すと、テンションが上がって笑顔が戻って来ました。

「食べていい?」「明日ね」

冷凍庫にアイスクリームを放り込み、顔を洗って二人でくるまって眠りにつきました。子どもはすんなりと眠りました。あんなにぐずっていたのが、嘘のようでした。夢かと思ったアイスクリームは、次の朝、冷凍庫で大人しく待っていました。

朝に見るアイスクリームはなんと魅力的なのでしょう。明日の朝のアイスクリームを心待ちにして今日も眠りにつきます。おやすみなさい。

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