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冷たい手がする仕事

看護師の仕事に4年ぶりに復帰して早半年が過ぎました。
9月から仕事を始めて、10月からは外来勤務でなく病棟勤務。
夜勤と日勤をしつつ、母親業務も同時進行していましたが、全てを平等に上手くこなすのは困難で、紆余曲折して3月から外来勤務に戻りました。

渡り廊下でつながっている、外来と病棟。
外来勤務となってからも、空き時間には病棟の患者さんの顔を見に行っています。

一患者一処置、一消毒、一手洗い等・・・。
病院の仕事は手洗いが本当に多いです。

私は訪室して「こんにちは。」と挨拶をする時には、手を握りコミュニケーションをとっています。

手洗い後はいつも手が冷たい私の手。
手を握っていつもどうり挨拶をすると、「あんたの手は冷たいねえ。」と擦って温めてくれる患者さんが多いのです。
高齢の女性が多い病棟なので、ほとんどが80歳以上の女性高齢患者さん。

「冷たい手で、気持ちがいい。」
「冷たい手だから、私が温めてあげるね。」
「手が冷えたら、いつでも私のベッドに来なさいね。」
「寝てていても出来る、私の仕事だね。」

冷たい手を温めてくれる患者さん、ほとんどが私よりも大きな手の平で、たくさん仕事をしてきた手をしています。
じんわりと手が温まると、心も温かくなるような、うれしい気持ち。
特に言葉が多くなくても、目が合ったらなぜかお互いに笑顔になるような気持ち。

手を握る行為は、コロナ禍以降に接触感染予防などからあまり実施されていないことも多かったように思いますが、感染が下火になりつつある最近では感染予防に留意して、通常通りに普段の病棟では行えるようになりました。

コロナ禍で面会制限もあり、家族に会えず寂しい思いをしている患者さんも多いのです。
業務以外でベッドサイドに伺う時間。それを大切にしたいという思いを忘れずにいたいと思って、外来勤務となった今も、空き時間を見つけては時々病棟の患者さんのベッドサイドに今日も伺います。

繰り返す手洗いで、いつも冷たい私の手。
でも、この冷たい手を温めてくれる人がたくさんいるから、冷たい手にも役割があると思えるのです。

一人の患者さんを触ったら消毒か手洗いをするのが、病院の現場。コロナ禍では手を握る行為がゴム手袋越しにされていたので、皮膚と皮膚が触れ合う、実際に手を握れるという事は、こんなにも満足感幸せ感を感じるものかと改めて思った出来事でした。

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