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アフター・コロナの社会哲学(4)-リスクと社会/不確実性と世界-

前回まで、コロナ・ショックについて、次のことを話してきました。すなわち、①ショックの意味内容、②リスクと不確実性のちがい、③社会と世界のちがいです。その際、想像力とか限界合理性ということばも用いました。

今回は、リスク、不確実性、社会、世界の4つの用語が、どのように関係しあうのかを、お話しします。

リスクと社会は同じ地平にある

まず、リスクについて考えます。これは、社会とペアになります。なぜなら、リスクも社会も、わたしたちの理性のなかに在るものだからです。限界合理性の枠内に在るもの、と言いかえてもいいと思います。ともあれ、「リスクと社会はセット」です。

不確実性と世界は同じ地平にある

次に、不確実性です。不確実性は、世界とペアになります。なぜなら、不確実性も世界も、わたしたちの理性を越えたところにあるからです。限界合理性の枠外に在るもの、と言いかえてもいいと思います。ともあれ、「不確実性と世界はセット」です。

世界は社会を包摂する

次に、社会と世界の関係です。結論を先に言うと、「世界は社会を包摂しています」。集合論でいうと、社会は世界の部分集合であり、世界は社会に対する全集合です。なぜなら、社会は限界合理性の枠内に在りますが、世界は限界合理性を越えたものだからです。つまり、社会よりも世界の方が広いのです。よって、「世界は社会を包摂する」のです。

リスクと不確実性は本当に独立か?

「社会とリスクはセット」、「世界と不確実性はセット」、「世界は社会を包摂する」ということを見てきました。さてここで、問題が一つ残ります。リスクと不確実性の関係です。「リスクと不確実性は完全に二分されているものであり、なんら関係のないものなのだろうか?」という疑問です。

リスクとセットである社会が、不確実性とセットである世界と包摂関係にあるのならば、リスクと不確実性の間にも、何らかの対応関係がないとおかしい。こう考えざるをえません。というわけで次回は、リスクと不確実性の対応関係について、考えていきます。

そうそう、最後に、「スキ」を押してくださいね。それじゃ、また。




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