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食べ塾105:飲食店で揚げ油を減らす工夫を考えてみた!

  ここ1年間で揚げ油1缶の価格が2倍以上に高騰して、今や

1缶18L入り=6,500円超え です!!!!

そこで飲食店でできる「揚げ油削減対策」を考えました。

■対策1:揚物メニューを売れ筋だけに絞る

  計算すると、ほぼ1品当たり20円~25円程度は食材原価に加える必要が出てきた揚物メニューです。
従来は、安価な食材でも揚げることで付加価値が増して、利益メニューだった揚物メニューが、あまり利益メニューでなくなりつつあるということです。

でも、たまにしかオーダーのない揚物メニュー食材があると、揚げ油と食材ロスで、Wロスになるので、ここはメニュー数を減らす方が賢明と思います。

<コツ>
油をあまり消費しない食材で、揚げ加工であまり減少率が少ない食材
を選ぶようにすることがこれからのひとつの知恵になります。


■対策2:油の吸収率が低い食材・衣の種類を選ぶ

  下の表を見てください。文科省のデータから作成しました。

脂質量=揚げ油の吸収度を示しています

これで見るといくつかの情報が見えてきます。
1,素揚げ・唐揚げは油を吸わない揚げる方法になる

2,海老やささみなど比較的短時間で火が通る食材は油を消費する

3,ナスやキノコ類、かき揚げ(リストになし)は多くの油を消費する

4,とんかつはロースよりヒレの方が50%増しの油を消費する

ここには記載していないが、
調理後重量÷合計重量×100%=揚げ加工で商品がどれくらいに縮むかを
判断することができます。

例えば、
鶏モモ皮付の唐揚げ加工では、
75g÷114g×100%=65.8%
 (つまり34.2%重量が減少します)
つまり100gの皮付鶏肉に14gの衣をつけて唐揚げにすると、出来上がりが
75gになるということです。

イベント販売でも、何人分という場合には、減少率が34%もあるということになります。
10kgの「唐揚げ」をつくるためには、衣付き皮付きの鶏モモ肉が
10kg÷歩留まり率65.8%≒15.2kg 必要になるとわかります

■対策3:代わりに炒め物メニューを増やす

●フライパンで炒めるメニュー
●フライパンで炒めたり煮たりして鉄板で出すメニュー
●中華料理、エスニック系料理の導入~たれがあれば変化が万能!

合計重量に比べて調理後重量が少ない食材は「多く使う」ことになります

これからは、健康のためにも、コスト的にも、地元産の旬の野菜を使うとか、契約栽培農家で生産された特定野菜を使うとかの対策が必要です。
ここ数年以上、野菜は1年に1回~2回の高騰期を迎えています。
場合によっては、ブラジル産の鶏肉よりも高いキャベツや白菜を買うことにもなってくるわけです。

玉ねぎ、なす、人参、ほうれん草、舞茸などが炒め物食材としては、減少度の大きい食材です
これらを使う場合は、「もやし増量剤」(高くなりましたがそれでも安い)を加えて、ボリュームアップされたらいいかと思います。

■対策4:短時間揚げで済む食材の料理を増やす

私は料理作りはしますが調理人でないのであくまで私的見解です。

<あまり油を消費せずに短時間で揚がるもの>
●海老天
  
 エビフライより海老天。でも40歳未満の人気度はエビフライ。
卵(全卵)
●水菜のかき揚げ
●葉物のサラサラ衣の天ぷら
●チクワの磯辺揚げ

<油を多く消費して揚げる時間がかかるもの>
●厚衣のトンカツ
●野菜がぎっしり詰まったかき揚げ
●大きいサイズの舞茸やシメジの天ぷら


一部では、ドクターフライ(導入費45万円、5年リースで8千円~)
等がありますが、設置場所により、機器のコントロール機器が耐熱温度が
60度であるために「設置環境」が制限されるということです。
*電波障害的なものも発生するようです。
ただし、油切れがよく、油が汚れにくいという評価もあります。
今年は商品が予約待ちとのことでした。(聞いた話)

ちょっぴりですが、
次期メニュー変更時には、今までのメニューの中での油の使い方を
考慮したメニュー作りをしてみませんか?
応援します!

(了)



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