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食べ塾:新メニュー開発のコツを総合的に惜しみなく、すべてお伝えします!

  飲食店がある程度定期的に作る新メニュー作りは、そもそもなぜ
行うのか、ご存じでしょうか?

以下に10の項目に分けてご説明します。
なるほど!と思うものや、そういうことはとっくに知っていると思うことも
あるかと思いますが、

意識して、
お客様の喜ぶ顔が見たいと想像しながら開発すると、
「開発された新メニュー」はワンランク上の素晴らしいメニュー
が誕生すると信じています。



■新メニュー開発はなぜ必要か?

1,どこに食べに行こうかな?の時に→行きたいお店にインプットされる
  定期的に新メニューをデビューさせているお店は、
基本的に、「行きたいお店」にインプットされます。
強力な来店動機の原点になります。

2,顧客のリピート力を高めて持続させる力になります
  メニューのマンネリ化を防ぐ効果があり、顧客層のリピート力の
減少を防止する効果がある。

3,来店客の増加により売上増につながる
  定期的な新メニュー開発は、次の月、次のシーズン、次の年へ
期待感を高めた顧客層の増加を促す効果があります。

4,商圏内での知名度がアップする
  宣伝経費を使わなくても、最大の信頼度で、「食事客のクチコミ」
での販促宣伝効果が発揮されます。

5,お店の経営に対する真面目さがお客様や取引き先に伝わる
  いつもコツコツとメニュー作りをするお店は、
食事をしたお客様から貴重なご意見がいただけます。
また、食材に関しても取引先から新食材情報がいただけたり、
仕入れ価格についても便宜を図ってくれる事例が多くあります。

6,平均客単価アップにつながる
  年間のメニューでも季節のメニューでも基本的には同じですが、
新メニューの価格次第で、平均客単価を「引き上げる」効果があります。

7,食材原価率の低減につながる
  新メニュー、季節メニュー、期間限定メニュー、高額メニュー等は、
5%~10%の含みを生む食材原価率設定で売れる場合が多く
食材原価率の改善や低減につながることも多いのです。
月間・年間の食材原価率結果は、メニュー1品ごとの積み重ねであり、
毎月の適正仕入れ量の努力のたまものです。

8,有料販売で「売れる商品かどうか?」のリサーチができる
  「買ってもらえそうと思うものを売る!」のですが、すべてが
パーフェクトに売れるわけではありません。

*新メニューの投入で、その人気度により次期グランドメニューに
 組み込みができるメニューかどうかが判断できます。


<新メニューが売れない時の理由>
●食材が食べてみて美味しいと感じなかった
●価格に見合ったボリュームがない
●価格が高すぎる
●自店の顧客層とミスマッチ
●デビュー時期がミスマッチ(季節が合わない・流行前にデビュー・
 流行後にデビューして遅すぎる  など

9,今後の新メニュー作りの傾向や価格帯が予測できる
  特に、ランチメニューや次の季節メニュー、月替わりメニュー
等に期待が高まります。
自店の顧客層をメインに企画する。次に新顧客層の取り込みとして
企画するように優先順位を決めておく。
●同じ食材のバリエーション
●同じ調理分野のメニュー
●同じ性別・客層に向けて開発
など

10,調理スタッフや店舗管理者のスキルアップに役立つ
  新メニュー開発は、
●食材情報
●調理手順
●販売価格帯と価格決め
●商品のネーミング
●食材原価・原価率計算
●販促方法
●売れ行きの分析
●商品の改善対策(美味しさ・ボリューム・価格の変更・器の変更
 ネーミングの変更など)

どれを取ってみても、優秀な経営者、店舗管理者、調理責任者にとって
自身のスキルアップにつながることばかりです。


■新メニュー開発に必要な条件とは?

1,明確に違いがわかる魅力がある
  
新たな存在に「感動する」商品開発が理想です。
笑顔が素敵な美人歌手の様です。

2,顧客ニーズにマッチしている
  若いお客様が多いお店では、古風なイメージの料理は売れません。
また、中高齢客の多いお店では、ナイフ&フォークを使う料理は
なかなか売れません。
味わいも性別や年利層が好むものでないとニーズにマッチしません。

3,デビュー時期がベストタイミングであること
  シーズンインの2週間前~1か月前からデビューさせるのが
一番良いやり方と思います。
新メニューが浸透するまでには、必ず一定期間が必要です。
また、
●季節ニーズがあっている
●トレンドになってきている最初の頃
●高額の新メニューは、必ず「非繁忙月」でなく「繁忙月」の月初め
 から出すようにすると、定着しやすいと考えます。

4,価格設定が「適正値」であること
  価格決めは非常にこんなですが、すごく最重要ポイントになります。
590円で売れるものが600円になると半分しか売れない例は、
数多くあります。
「売りたい価格」は売り手側の都合の良い価格設定であり、決して
買う側の消費者の意見を考慮した価格設定ではありません。
70%の生産者側価格感と30%の消費者立地の価格感の融合が
大切と思っています。



5,プライスリーダーになれるとよい
  地域ニーズが高く、その料理が普及し始める時に「一番」でデビュー
させたお店が、「提供スタイル・ボリューム・味わい」と販売価格の
リーダーになります。
特にその地域のプライスリーダーになると、「元祖」「本家」などと
呼ばれることが多いと思います。


■飲食店の新メニュー開発はこれ2つを重視して
 候補を極限まで書き出して、トコトン吟味する!

1,食材を吟味する

①トレンドの食材 
 今どういう食材が広く受け入れられてきているかを知ることは重要です。

②旬の食材
 旬はなくなりつつあると言いますが、それでも日本の料理店では、
 「旬」を料理の中に感じたい人は過半数必ずいます。
 1皿のどこかに旬を盛り込めば、感動の分だけ、高値で売れます。

③希少な食材
 肉の希少部位、産地での生産が少ない希少野菜、希少な魚、何でも
 関心を持って頂ける食材を見つける。

④名産の食材
 長く地域の人に愛され続けている食材、食べ方も含めて「本流」の出し方で当初は提供して、普及段階で、アレンジした味わいのものも増やすと
売上が150%になります。

*例:から揚げ → 醤油味だけ→ 醤油味・塩味・ピリ辛味で150%に。

⑤安価に仕入れられる食材
  自店が有利な立場の特定食材を最大活用するやり方です。
他店では同じ価格で売ると利益がないので、競争力があります。


2,厨房の制限条件や料理方法・食べさせ方で
 新メニュー候補を絞る

1,キッチンの都合で絞る
  収納場所がない、鮮度が短かく日持ちしない、下処理に手間がかかる、
  調理が複雑で大変、器が兼用できない など

2,自店の客層に合わない味や食べさせ方は省く
  
売れる見込みが少ないと感じるものは、削除するか、第2グループ
  候補にしておく。

3,平均1品単価価格より少しでも高く売れるものを開発する
  
人件費も手間もかかる新商品開発です。
  お店の経営に役立つ商品を生み出す必要があります。


新メニュー開発を元気に継続することは、
ひとえに
「商売熱心なお店」
と多くのお客様から必ず 評価されます!

(了)


飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします