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飲食店未来学<24年予測>8/10:料理もFL原価で売価を決める時代 

 飲食店のメニューにはそれぞれ売価、原価、原価率が存在します。
10数年前までは、
 食材原価がこれくらいかかるから○○○円で売ろうと売価を決めており、

10数年前以降は、
 この料理はいくらの価格帯でないと売れないから、かける食材原価は
○○○円しかかけられませんね、と変わりました。

そして令和6年の今は、
 食材費も、人件費も、光熱費も上がり続けるランニングコストアップ時代に必要なことは、「上がった分だけの価格転嫁」だけでなく、従業員の給与と労働環境の改善をするための「プラスアルファ」の費用を盛り込んだ価格転嫁が必要です。

🍓原価は低くても人件費の比率が高い業種ほど料理の<FL原価計算>が必要とされる

●焼鳥店

 1串の食材原価は25%平均であっても、1時間当たりの串打ち本数の
手際の良さ悪さで、串1本のFL原価が大きく違います。
  ★串25%+串打ち1本あたり人件費20%=45%(高すぎる)
  ★串25%+    〃      10%=35%(適正範囲)

 生産本数が1日1,000本以下の個人店においては、串打ち機の導入をすると
逆に大手と戦う羽目になるため、あくまで個性的に手串の人件費も加えた
FL原価で行う方がコストコントロールができて合理的です。

●弁当店

 食材原価は35%~45%とお店により様々です。
 儲かっていない弁当店を調べると、
  ★まず人数が多すぎる~機器の導入よりも人手に頼り過ぎ体質
  ★早朝勤務が多く高齢者の個人能力差が大きい
  ★シフト管理が大雑把すぎて人件費が最大になりやすい
  ★時給は低く長時間労働をさせる傾向がある

になっており、人件費の重さが利益性を悪くし、赤字経営の原因となっています。
  多くの弁当店は、
 食材費45%+包材費12%+人件費30%=87%に近い
 *包材費も”売れる見栄えの良い容器”に変える度にコストアップする。

こういう飲食現場も、
  弁当原価+人件費原価で売価コントロールを行うか、
  弁当原価+包材費原価で売価コントロールを行うかすべきです。

●中華料理店

 食材原価率は25%以下が多く負担は小さいが、中華料理人そのものが少なく、腕の良い人が少ないため、他の料理人より高給を出さないと確保できません。
 必要に応じて、
「料理原価+1分あたりの調理時間人件費原価」を計算してみると良い。
 ★料理原価25%+人件費原価30%=55%

🍓最終目標はFLRUコスト率管理です

  ★F=フードコスト(食材原価)
  ★L=レイバーコスト(人件費原価)
  ★R=レント(家賃原価)
  ★U=ユーティリティー(光熱費原価)
  
  飲食店の4大原価率をコントロールして、適正利益を安全に確保しましょう。
理想の最終目標は、F率=30%、L率=20%、R率=8%、U率=7%
65%、5%の余裕を見れば合計で70%が上限比率です。


生き残るか、負けて消滅するか、
性根を据えて戦うしかない2024年です

●私の2023年度の出版本です

1,飲食店の開業をする方のためのテキスト本
 (初心者の方でも飲食店経営者歴3年程度の知識が得られます)

2,飲食店主のための価格転嫁のノウハウ本
 出版本で値上げノウハウを書いた本はこれしかありません
 (あらゆる値上ノウハウを網羅しています)

参考になりましたら幸いです。
  オードリー7、流石 種 (同一人物です)

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