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食べ塾:繁盛店メニュー作りで、プライスゾーン(価格帯)設定はとても大事です!

■プライスゾーン(価格帯)って何?

飲食店の食事メニュー(料理コースを含む)で一番下の価格~一番上の価格
迄の「価格帯」のことです。

■プライスゾーン(価格帯)は「客層を作る」

食事メニューのプライスゾーン自体が、低いか、普通か、高いかによって、

「その価格帯なら私は利用できます!」と感じる客層→固定客層

を形成することになります。

■プライスゾーンは「平均客単価の高低を決める」

ランチタイムに繁盛する定食屋さんを例にとると、
(低い価格帯の商品) うどんそば       450円~680円
           丼ぶり         680円~880円
(中価格帯の商品)   定食(メインが1種類)    900円~1200円
(高価格帯の商品)定食(メインが2種類以上) 1300円~1980円

上記の内容を再構成した場合、
●うどんそば・丼ぶり中心に展開・・・平均客単価640円前後(推定値)
 プライスゾーン 450円~880円
 *事前推定値の出し方
  450円+(880円-450円)×45%=643.5円

●丼ぶり・中価格定食中心に展開・・・平均客単価915円前後(推定値)
 プライスゾーン 680円~1200円
 *事前推定値の出し方
  680円+(1200円-680円)×45%=914円

●中高価格帯定食中心に展開・・・・・平均客単価1380円前後(推定値)
 プライスゾーン  900円~1980円
 *事前推定値の出し方
  900円+(1980円-900円)×45%=1386円

*メニュー制作時に、食事メニューやコースメニューの設定価格と価格帯の
 構成で、事前に平均客単価推定値が出ると、
 平日や週末の来店人数予測により、売上の推定値が出しやすくなります。


■プライスゾーンの高低は料理内容・接遇のサービス
 レベル(QSC)で決まる!

  (料理の価格を決める要素)
●使用する食材の種類(仕入価格が違う)
●使用する食材の銘柄指定有無(希少性)
●食材の保存や鮮度の違い(冷凍・冷蔵・活き)
●調理技術の全般的な高さ
●特定の専門料理分野の処理・調理技術の違い
●使用食器の違い
●接遇サービスレベルの違い
●客席空間の居心地(快適さ)の違い
(*テーブル・イスの高級感の有無・照明の高級感、スクリーンの有無等)

初めて入ったお店でも、
内装の造り、メニューブックのしつらえ、出てくる食器のグレイド、
料理屋ドリンクを出すホールスタッフの提供の仕方、ユニフォームの
カッコよさなどで、価格を見なくても推測できます。

■プライスゾーン設定のコツ

  プライスゾーンを設定する際に気をつけることがいくつかあります。
メニュー作りの際に、このコツがわかっていると、無駄なメニューを
生まなくていいし、食材も有効活用できます。

1、価格帯の谷間を作らない
  (定食を例にとると)
  とり天定食     900円
      唐揚げ定食       980円
   チキン南蛮定食      1100円
   カツ鍋定食      1200円・・ここまでは平均客単価前後の設定価格
               ←谷間の価格帯1300円~1900円
  ステーキ定食    1980円

  ・・・・このような形で、
  プライスゾーンは100円~200円程度は価格が開いても、
  大きなまとまりとしてお客様に認知されます。

  次の価格との間に谷間を作ると、売れないメニューを自ら
  生み出すことになります。

2、プライスゾーンから外れた孤立価格メニューは作らない
  離れ小島の様な孤立した価格設定のメニューは、
  かなり人気が高い内容の料理でないとオーダーが増えません。

  このお店の
  メインのプライスゾーン900円~1200円から外れた設定
  
になってしまうことが原因です。

  (対処方法)
  ●もし、牛肉のステーキで売りたいのでしたら、
   サイコロステーキ 1380円~1450円とすることで、
   プライスゾーンを上へ少し広げる設定にするべきでしょう。

  ●食材コストの関係でできない場合は、
   メインのプライスゾーンと別に、
   サブのちょい高プライスゾーンを、敢えて設定する
   ことで解決できます。
   <最低3つ以上のアイテムで固めてください>

3、食事店では平均客単価前後のメニューアイテムを厚くして、
  山のピークを作ると固定客が増えて目的月商が確保できます!
   
  定食の価格分布を作る時の私のやり方は、
  お店が希望する「平均客単価」を先に決めて、
  概算プライスゾーン設定計算を、
 
 「下の売価:平均客単価×65%又は70%~上の売価:平均客単価140%」
  をプライスゾーンに設定する

  
というものであり、
  平均客単価が1000円のお店にする場合は、
  プライスゾーンを、
  下の価格を700円の食事~1400円までの食事メニューを置けばいいと
  いうことになります。

4、客席数が多くなるほど、プライスゾーンは広くなると考えることです

  飲食店経営は、常に「客席を満席にする」ことが毎日のミッション
  です。
  ●15席~50席未満のお店  
  ●50席~80席のお店     
  ●80席~100席未満のお店
  ●100席を超えるお店
    ↓
  客席数が多くなるほど、食事のお客様の予定金額の高い低いが
  あって差が出ますし、また、いくらでも構わないというお客様も
  混在することになります。

5、ドリンクメニューは平均客単価の15%~20%の価格のものが
  売りやすく、一品料理は、平均客単価の20%~30%の価格のものが
  売りやすいという印象があります。

  また、食事もアルコールも売っているお店では、
  平均客単価の80%が料理群で、20%がドリンクという
  大まかな指標もあります。

  プライスゾーンは時代と共に変わります。また、
  景気の流れでも変わってきます。


*客単価とプライスゾーンのあり方は、お店ごとに微妙に異なります。
 一度計算してみてください。
 そうすると、「自店の価格設定の法則」が見つかります。

(了)

飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします