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高コスト時代の飲食店対策7:赤字が増える売上追求型から利益追求型に変える時代

このテーマの記事は10回のシリーズで投稿します。
飲食店の業態変更や仕組みを変えて繁盛店づくりに役立つ内容です。
*10の記事のうち1本は有料記事になります。

先に結論から申し述べます。

過去何十年と経営者は「売上を上げる」ことに執着して
きましたが、
これから先の売上が伸びない、売上が目減りする時代は、

限られた資源(食材・人財・運転資金)を効率よく使って
支払額を上回る「最大限の利益高」を獲得する経営に
大きく大転換する必要があります!


■飲食店主の間違った考え方とは?

「売上を伸ばせば利益は増える」は間違い
 果たしてそうでしょうか?
売上を伸ばすためには、値上がりする多くの食材を必要とします。
高額で雇用する従業員を多く必要とします。
宣伝広告も多大になります。店舗も大きなものが必要です。

売上を伸ばしても、経費も連動して、しかも割増しで伸びるから、
 利益率は年々落ちるばかり・・・になります

「売上を上げれば経費が多く使える」は間違い
 コロナ前の流れとコロナ後の流れは明らかに違います。

ひとことでいうと、主流は「がまんと節約の時代」が来ます。
しかし、
一方では、「生きている喜びの証のためなら大金を使う」ことも
同時進行で強まると予測しています。
まさに、極端な二極化の消費の時代が始まってきています。

売上の伸び率よりも、経費比率の伸び率の方が大きくなります

   ではどうすればいいか?になりますね。
   <解決方法>は破壊と再構築です。
   売上アップも利益率アップも両方を同時に実現するためには、
   「今の飲食業態の大転換」を行う改革が必要です。


「今までやってきたことを土台に改善すればよくなる」は間違い
 
正直に言います。
今までにやってきたお店の成功の仕組みを、改善することで売上が増えたり
利益が増えるのであれば、それに越したことはありません。

  仮に半数のお店がこの方法で経営改善できても、残りの半数のお店は、
もう一歩踏み込んだ「改革」「変革」が必要となると見ています。

➡お店が持っている「古い体質の比率が50%以上あるお店は大手術が必要
 ということになります。

   時代の変わり目にいつもあるのは、
   次の時代に順応できない要素が強いお店から順に劣化して、
   消滅してゆくことは避けられない 
ということです。

   そして、
   それが、新たな飲食業の発展の原点となる「進化」になります。
   あたかも、地球環境の変化で白亜紀の恐竜が滅び去るように。


■求められる新たなコスト比率とは?

●フードコスト率 30%

 どんな飲食業であっても、不可能ではないと本当に信じています。

<理由>
1,外食の利用回数が減る分だけ1回の利用金額は20%以上上がります
  1,000円は1,200円になり、3,300円は4,000円に

2,スーパーで買う食材価格が上がれば、メニュー価格の上昇は必要値上げ
  として受け入れられる

3,食材原価率30%で売る力のあるお店は、商品力、店舗力、接遇サービス
  力に強さがある

あなたはどう思いますか?
最初からできない不可能と思わずに、新規のお店をつくる気持ちで、
仕組みを組み立ててみたら、必要な条件が頭に浮かびますよ。

●レイバーコスト率 20%

 実に簡単です。
でもお金が少しかかります。研究したり、アイデアも必要です。

現在、売上高の25%~35%の比率で人件費を支払っているお店は、

「仮に従業員を半分にした場合でも今の経営が維持できる仕組みは、
何をどうすればいいか?」

をブレインストーミングの課題として、
遊び感覚で発想してみたらいかがでしょうか?

  <解決手段のヒント>
  ・
飲食店の場合は、最初にメニューありきですから、食材と人手の
   かかるメニューを、食材と人手をかけないで、同じ売上が手に入る
   仕組みに切り替えることが必要です。

●レントコスト(家賃)  5%~8%以下

  外食人口が減ってきて、平日中心に黒字化を進める時代になると、
経営内容は良くなりますが、土日などの繁忙日の客数の取り込みが伸びないかもしれません。

第一に、1日平均の絶対客数が減少すれば、客席数の30%くらいが、
必要でなくなります。

・店舗の契約面積を小さくする
・店舗の必要客席以外を他の売上収入に結びつくように活用する
・自店所有店舗であれば、一部を賃貸して家賃比率を下げる
 などの対策が有効と思います。

まとめると、
目標➡「食材費30%+人件費20%+家賃5%=55%」


■お店の改革の仕方は3通りあります

1,期日を決めて一挙に業態変更する(同じ店舗)
  ➡効果は絶大に出るがリスクも大きい懸念がある

  データ分析、商圏分析、未来予測、食材の見通しなどを吟味して
現状より客単価の高い「新業態」のビジネスモデルを決める。

前述のFLR55%を実現可能な仕組みで最初からスタートする。
すべての経費が上がってきても、60%までの5%が余力の
含みとなります。

プランニングの最終段階で、「成功率80%」と体感するまでは、
吟味をし尽くすことです
*考えつくことはすべて行ったという実感が必要です



2,向こう3年間かけて、計画的に順次変更する
  ➡効果は少しづつ、途中で止めたらだめになる
   (同じ店舗)

  多くのお店はこちらの手段をとると思います。
1年先に生き残れる甘い条件よりは、5年先、10年先でも生き残れる
辛い条件の目標を立てて、1年ごとに突き詰めてゆくと改革効果が出ると
考えます。

途中で止めたら、すべて瓦解しますので、やはり事業計画書に落とし込んで、金融機関や税理士さんと連携しながら進めるべきと思います。
専門の定例会議やチームを持つと良いと思います。


3,違う場所に違う新たな業態を開業してお店を廃店する

  1と2は、新規店に近い内容のリニューアルオープンですから、いっそのこと、現店舗の近くに、新規の進化型別業態を出店して、売上をそちらに移し、現店舗は、廃店するか、また別の業態で進化型業態店をオープンさせても良いかと思います。

もう売上を追いかけて大きな経費を引きずる経営から
脱却して、

小さな資源で大きな利益を最大限生み出す、
経営効率の良いお店作りが唯一の飲食店の生存の道に
なりつつあります

是非ご検討ください。

飲食業に関わらず、新たな時代の幸福は、上手な効率経営のあり方にかかってきていると思います。

(了)



飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします