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【読書メモ】クレイジーで行こう! グーグルとスタンフォードが認めた男、「水道管」に挑む 加藤崇 著

米国シリコンバレーで機械学習による水道配管メンテナンスのテックベンチャー Fracta, Inc. を経営する著者による、事業立ち上げから日本の大企業による M&A を迎えるまでの奮闘記。

米国では 2050 年までに 100 兆円分の水道配管を交換しないとインフラがもたないと予想されている。そこに目をつけた著者らの、テクノロジーにより社会益をもたらすという理念には共感。その理念はメンバー全員に共有されている。ピーター・ティール流にいうと、隠れた真実を全員が信じているカルト的熱狂集団といったところか。

その他にも、トランプ政権の動向をもとに時流を読み適切に市場を選ぶ大局観、オフラインでの会合で臆せずキーマンに議論を吹っかける度胸、他社の追随を許さない独占的な技術力、チームメンバーへの尽きない信頼感など成功の要因がよくわかる。

一方で Fracta のサービスの運用実績については、年間契約を獲得した件までしか記述がないので、今後も動向ウォッチしつづけたい。

p.14
著者の行動力が感じられる箇所

具体的な話など、まだまだ先だ。まずは相手がこの分野に興味があるかどうかに腹をかけに行く。直接的な関係が得られなくても、全く問題ない。「この分野に興味がありそうな会社や部署は、どのようなところだと思いますか?」と矢継ぎ早に質問をする。こうしてだんだんと、僕たちの技術をこの作業でどこの誰あたりが使ってくれそうか目星をつけていくのだ。

48ページ

これまで、真新しい試験パイプで実験を繰り返してきたロボットだったが、数十年以上使われている実際の配管に入るとなると、そう簡単にはいかないだろう。

これまで実際に水道配管で試したことなかったのかよ!とツッコミたくなる。

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