[創作1000ピース]16,1分の妄想(ショートショート)
エレベーターに女ひとり。
扉が閉まり動き出すと、彼がこちらに寄ってくる。
壁に片手を付き、上から見下ろされる。
「知ってた? ここって監視カメラ死角なんだよね……」
彼の吐息が降ってきて唇を吸われた。
『ピンポーン』
目的の階に到着した。我に返って、開くボタンに指を置く。私は奥に陣取る彼に目を配り、道を譲った。
彼の背中を見送ったあと、密室にはお呼びでない虚しさが同乗する。
無常なり。数秒間の逃避行。もう少し夢を見せてはくれまいか。あと少しだけ、彼の空気を吸っていたかった。
どんよりと天井を仰いだ。
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Twitterに投稿した140字小説に加筆のうえお引っ越し(転載)。
ツイートは削除済み。
*** 創作1000ピース ***
たくさん書いて書く練習をするためにまずは1000の物語を書く目標を立てました。形式は問わず、質も問わず、とにかく書いて書いて、自信と力をつけるための取り組みです。
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